サッカーのスペイン1部レアル・マドリードに所属する日本代表MF久保建英(18)が急転、同1部マジョルカに1年間の期限付き移籍することが発表された。クラブはホームで行われるスペイン1部リーグ第2節のレアル・ソシエダード戦(25日=日本時間26日)の出場を見据えており、選手登録などの準備を急ピッチで進めているという。

 今夏にJ1FC東京からRマドリード入りした久保は当初Bチーム(3部カスティージャ)でプレー予定だったが、プレシーズンマッチで強豪クラブを相手に好パフォーマンスを見せ、評価が急上昇。国内外のクラブからオファーが殺到し、同1部バリャドリード入りが濃厚と報じられた。

 ジネディーヌ・ジダン監督(47)は今季のリーグ開幕前に、移籍がささやかれていた久保の処遇について「(Rマドリードに)残ることを希望している」と話し、クラブも今季残留の方針を固めつつあった。そんな中、突然、マジョルカ移籍へとカジを切ったのはRマドリードのチーム事情が深く関係している。

 今夏にベルギー代表FWエデン・アザール(28)らクラブ史上最大となる約400億円の大補強を敢行した一方、放出候補のウェールズ代表FWガレス・ベイル(30)やコロンビア代表MFハメス・ロドリゲス(28)、スペイン代表FWルーカス・バスケス(28)らの売却が進まず、戦力がだぶつく想定外の状態になっていた。

 特に久保とポジションが重なる選手に余剰人員が多く、今季はトップで起用するメドが立たなくなったため、確実に出場機会が確保できるマジョルカ入りに至った。かつて元日本代表FW大久保嘉人(37=磐田)らが所属するなど日本人に縁のあるクラブで、2020年東京五輪のエース候補が飛躍を期す。