リオ五輪サッカー男子1次リーグB組の日本はブラジル・マナウスでナイジェリアと対戦し、激しい打ち合いの末に4―5で敗れ、黒星発進となった。

 日本はスイス1部ヤングボーイズでプレーするFW久保裕也(22)がクラブ事情で招集できなかったことで、攻撃陣はオーバーエージ(OA)選手のFW興梠慎三(30=浦和)を頂点に、MF南野拓実(21=ザルツブルク)、MF中島翔哉(21=FC東京)の3トップでスタート。一方のナイジェリアは航空券やチャーター機の手配に手間どり、事前合宿地の米国・アトランタからブラジル入国が大幅に遅れた。試合開始6時間30分前にマナウスに入る強行軍となり、コンディション面が心配された。

 だが、試合はナイジェリアのスピードとパワーに日本が押される展開。前半6分、ナイジェリアMFエゼキエルに左サイドを破られ、シュートを浴びた。GK櫛引政敏(23=鹿島)が何とかはじいたものの、FWサディク・ウマルに詰められて先制を許した。

 日本は2分後、MF大島僚太(23=川崎)のパスを受けた南野がペナルティーエリアで倒されてPKを獲得。これを興梠が同9分に決めてすぐに追いついたが、1分後にDFシェフのクロスの対応を逆サイドのDF室屋成(22=FC東京)が誤り、背後にいたMFエテボに決められて再びリードされる展開となった。

 それでも攻撃のリズムを失っていない日本は同13分、大島の縦パスを受けた南野が絶妙なトラップからゴール前に突進。飛び出したGKダニエルの股間を左足シュートで鮮やかに抜いて再び追いついた。

 その後は両チームとも落ち着きを取り戻し、一進一退の攻防。その均衡を破ったのはナイジェリアだった。同42分、左サイドからエリアに侵入したエテボのクロスをDF植田直通(21=鹿島)がヘディングでクリアミス。再度エテボに拾われてゴールを許し、1点ビハインドで前半を終えた。

 後半、何とか先に得点が欲しかった日本だが、またもミスから失点した。5分、DF塩谷司(27=広島)と室屋の間をS・ウマルに突破され、戻った塩谷がこれを倒してPKを献上。エテボにこの日ハットトリックとなる3点目を決められ、2点差をつけられた。

 逆襲に転じたい手倉森誠監督(48)は8分、MF原川力(22=川崎)に代えて、スピードが持ち味のFW浅野拓磨(21=アーセナル)を投入。だが気温30度を超える中で、落ちると思われたナイジェリアの運動量が落ちず、逆に日本にミスが目立つ展開で危ないシーンが増えてきた。

 同21分、ナイジェリアの右クロスを櫛引がゴールから飛び出したが、右足でのクリアが小さく、エテボに拾われて5点目を奪われた。だが日本もあきらめず、同25分にDF藤春広輝(27=G大阪)の左クロスにゴール前で浅野が走り込みながら左足ヒールで引っ掛ける美技。これが3点目のゴールとなり、2点差に詰めた。

 日本は同27分に興梠に代えてFW鈴木武蔵(22=新潟)、同31分に中島に代えてMF矢島慎也(22=岡山)を投入。一方のナイジェリアは少しずつ動きが鈍くなってきたが、攻め急がずに守備的なシフトで日本の攻撃をしのいだ。アディショナルタイムの表示は5分。日本は同50分に鈴木がDFを一人かわして左足シュートを決めて1点差に迫るのが精一杯。そのまま敗戦を告げるホイッスルを聞いた。

 第2戦は7日午後9時(日本時間8日午前10時)、マナウスでコロンビアと対戦する。