森保ジャパンの代表選考を巡って、波紋が広がっている。日本サッカー協会は13日、国内組で臨む東アジアE―1選手権(19日開幕、茨城、豊田)の日本代表メンバー26人を発表した。首位のJ1横浜Mから7人が大量選出される一方、2位の鹿島は絶好調のFW鈴木優磨(26)を筆頭にまさかの〝選出ゼロ〟。物議を醸す選考を元日本代表FW武田修宏氏(55=本紙評論家)が分析した。

 国内組で臨む今大会は10人が初招集されるなどフレッシュな顔ぶれが揃った。森保一監督(53)が「個人としてもチームとしても結果を出しているところは評価しないといけない。選考は難しかったが、結果をしっかり見ながら個のクオリティーを見てきた」と語ったように、J1で首位の横浜Mから7人、3位の川崎から3人、4位の広島から6人と好調のチームからの選出が大半を占めた。

 その一方で、今季は一時首位に立つなど優勝争いの中心にいる2位の鹿島からの選出はまさかのゼロ。ここまで7ゴールを量産し、欧州での実績も十分なことから待望論が高まっていた鈴木が〝サプライズ落選〟となった。

 森保監督は鹿島勢の選出ゼロについて「鹿島の選手たちも、候補と見ている選手たちは数名リストアップしながら試合を見てきた。実際、選考のタイミングで移籍などの理由があって選べなかったというのはある」と説明。ベルギー1部セルクル・ブルージュに移籍したため招集できなくなったFW上田綺世には触れたものの、その他の選手への言及は避けた。

 鹿島から選出なしはファンやサポーターの間でも大きな反響を呼び、なかでも「鈴木優磨」はツイッターでトレンド入りするほど注目を集めた。

 森保監督と現役時代から親交が深い武田氏は、まず鹿島勢の選出がないことに「自分のいたチームなどはチームづくりをする上で選手を選びやすいし、それで広島から選んでいるのでは」と古巣の広島から選ぶメリットを要因の一つに挙げた。

 そして、物議を醸している鈴木の落選には「チームのバランスとか、監督のやりたいサッカーとは合わないということだろう。彼(鈴木)は我が強いようだし、そういった性格やコンディションなども鹿島のフロントと密にコミュニケーションを取って情報も入っていると思う。クラブとも話してこういった結論になったのではないか」との見解を示した。森保監督の独断ではなく、あくまで総合的に判断したというわけだ。

 その一方で、武田氏は鈴木について「彼にはイタリア人ストライカーのような強さ、迫力がある。僕が磐田で一緒にプレーしたFWスキラッチのようなね。面白い選手だし、まだまだ先がある」と今後の可能性に大きな期待を寄せた。

 森保ジャパンではなかなかチャンスに恵まれない鈴木だが、今回の落選を糧に飛躍できるか。