日本の至宝が露呈した課題とは――。日本代表MF久保建英(21=マジョルカ)は6月シリーズでA代表初ゴールをマークするなど存在感を示す一方で、レギュラー争いでは厳しい現実に直面している。11月開幕のカタールW杯が近づく中、元日本代表MF前園真聖氏(48=本紙評論家)が久保の現状を分析した。

 久保はW杯本番を想定した6月の強豪国との4連戦で3試合に出場。唯一先発したガーナ戦(10日)で代表初ゴールを挙げるなど活躍した一方で、大きな注目を集めたブラジル戦(6日)では出番なしに終わり、レギュラー争いでは厳しい立場に置かれていることが改めて浮き彫りになった。

 前園氏は特にフル出場したガーナ戦について「立ち上がりから仕掛けにいっていて、得点を奪いにいく姿勢、ゴールに向かう意識が高かったと思います」と指摘。代表デビューから3年が経過してようやく決めた初ゴールにも「ゴール前に入っていって、しっかり決められました。先発で結果を出すことが重要でしたので、その点ではよかったのではないでしょうか」と高く評価した。

 また「彼の特長は仕掛けて、効果的にラストパスを出せるところにあります。1点目の起点にもなっていましたし、得点に絡む仕事ができていたと思います」とゴールに直結するプレーで成長も見えたという。

 ただ、主力がほぼ不在で〝二軍〟だったガーナ相手に危険なミスも目立った。前園氏は「ボールロストが何回かありました。それも取られ方が悪く、ピンチになるものもありました。球際の部分で気になるシーンがいくつかあり、そのあたりは課題と言えるでしょう」とズバリ指摘。これはドイツやスペインといった強豪国と対戦するW杯では、命取りになりかねない。

 久保自身はガーナ戦翌日に試合を振り返り「僕のいやらしい持ち方で相手は足を出してきて、昨日も8割方がファウルだと思う。自分が意図した持ち方、結果ということなので自分の判断ミスとか自分の能力を分かっていないわけではない」と強気に語っていたが…。

 久保が大舞台で活躍するためには残り5か月となった本番までに、どこまで問題点を改善できるかがカギとなりそうだ。