6月の国際親善試合を2勝2敗で終えた森保ジャパンの戦いぶりに「年俸120円Jリーガー」としてJ3YSCC横浜などでプレーし、現在は格闘家として活躍する安彦考真(44)が疑問を投げかけた。

 6日のブラジル戦(国立)は0―1で惜敗し、14日のチュニジア戦(吹田)は0―3の大敗。約5か月後に迫ったカタールW杯を前に、不安を感じさせた。そんな戦いぶりに安彦は「今回それぞれの試合に、どんな意図があったのかを説明してほしい」と言い出した。

 例えばブラジル戦については「なんで勝負しないんだろうというのが、みんなの意見だと思う。引いて11人で守るのは日本じゃなくてもできる。『日本のサッカーって?』『日本のマインドって?』というのを証明していく場なのに、それが見えなかったのは非常に残念」と肩を落とした。

 日の丸を背負う以上、〝らしさ〟を発揮するべきだというのが安彦の持論。「日本らしいサッカーはずっと見られていない。それを見せるチャンスだったし、強い相手に見せるからこそ分かることがある。うまさはブラジルが段違いなので、技術で勝負するところじゃない。日本が持ってるアイデンティティーや哲学が全く見えなかった」と指摘した。

 その上で「日本らしさを代表が証明しなければ、これからも日本サッカーはずっと変わらないと思う。今の複雑な社会情勢の中で、日本サッカーはどんな立ち位置なのか、何を見せられるのかというのを示す必要がある」と語気を強めた。

 カタールW杯1次リーグではドイツ、スペインといった強豪と同組となった。勝利が理想なのは言うまでもないが、たとえ負けたとしても、何か印象に残る試合を「年俸120円Jリーガー」は望んでいるようだ。