狂った歯車を立て直す。サッカー日本代表MF久保建英(21=マジョルカ)にとって、6日のブラジル戦(国立)が1つのターニングポイントになるかもしれない。

 昨年9月に行われたカタールW杯アジア最終予選の中国戦では圧倒的な存在感を見せながらも、直後のリーグ戦で負傷。約2か月間の離脱を強いられ、同10、11月のアジア最終予選に同行することができなかった。4日のオンライン取材では「クラブチームで欲張って中3日で出てケガをした。もちろん同じ試合がもう1回あったら出たけど、チャンスがあった中でそれを失ってしまった。誰も悪くない形でふいにしてしまった」と当時の心境を明かした。

 日本代表で定位置奪取のチャンスをつかみながらも、手放してしまったことは久保にとって計算外だった。「今まで基本的には思い描いていた通りというか『ここでこうしないといけない』という漫画の締め切りみたいなのを決めてサッカーをやってきて、何個かは遅れたりしたけど、これまでは予想の範囲内だった」というが「今ごろは代表のスタメンで出ていないといけないなというのは去年の今くらいに考えていて、このまま行くかなと思った矢先、ゼロからのスタートになってしまって、計算と合わないと思っている僕もどこかいる」と肩を落とした。

 ただ、日本代表の世界が甘くないのは当然のこと。「競争があって当たり前だし、ケガをして帰ってきて自分の席が約束されているわけではない」とした上で「他の選手が調子を落とすのを待つより、何とかできることをやってそこに割り込んでいきたい」ときっぱり。ブラジル戦で再び己の存在感をアピールする覚悟だ。