【取材の裏側 現場ノート】常勝軍団の青森山田高を代表する2人の〝意外な関係〟とは――。

 昨年度に選手権をはじめ〝高校3冠〟の快挙を達成し、その強さが日本サッカー界の大きな話題になっている青森山田高。これまで数多くのプロ選手を輩出してきたなかでも日本代表として活躍しているのが、MF柴崎岳(29=レガネス)とDF室屋成(27=ハノーバー)だ。

 柴崎が3年の時に室屋が1年で、2人は1年間ともに同高でプレー。当時のことを室屋に聞いたことがある。

 柴崎は全国区のスターで室屋にとっては大先輩。規律に厳しい校風だけに近寄りがたい存在だったのかと思いきや「1年生の中では自分が一番話す機会が多かったと思う。特に僕はかわいがってもらった。たまに部屋に呼ばれて、いろんなことを話したりもした」と部活にありがちな上下関係ではなく、親友のような感覚でお互いに気が合ったようだ。

 ともに森保ジャパンでプレーするようになってからも仲の良さは変わらない。代表チームでは「僕は盛り上げるというよりイジってる」と自身のキャラを分析する室屋は「岳くんも先輩だけど全然余裕というか(笑い)。『昔はかわいかったのにな…』とよく言われる」と気の置けない間柄。まさに〝盟友〟といえるだろう。

 森保ジャパンでは当初常連だった2人だが、カタールW杯アジア最終予選で柴崎は途中からレギュラー落ちし、室屋は出番なし。本大会へ向けて青森山田コンビの逆襲に期待したい。

(サッカー担当・渡辺卓幸)