【取材の裏側 現場ノート】森保ジャパンはカタールW杯アジア最終予選の序盤で苦しみながらもオーストラリア戦(24日、シドニー)に勝って7大会連続7度目の本戦出場を勝ち取った。

 そのオーストラリア戦で生まれた後半44分の先制点。右サイドバックのDF山根視来(川崎)が右サイドの高い位置でMF守田英正(サンタクララ)とのワンツーからゴールラインギリギリでマイナスクロス。ペナルティーエリア中央に走り込んできたMF三笘薫(サンジロワーズ)がゴールネットを揺らした。

 このゴールシーンは、全員が川崎でプレーしていた選手による見事な連係としても注目された。すべてではないとはいえ、改めて〝あうんの呼吸〟は互いをよく知る関係性から生まれるものだと改めて痛感させられた。

 と、同時にかつて聞いた川崎OBで元日本代表のMF中村憲剛氏の言葉を思い出した。2014年ブラジルW杯後、ハビエル・アギーレ氏が日本代表監督に就任したころだ。「ユニットで(選手を代表に)呼んでくれたら面白いんじゃないかと思う」と提案。そのとき当時のチームメート元日本代表FW大久保嘉人氏との同時選出を期待した。

 その中村―大久保ラインは代表で実現しなかったが、今後は欧州クラブでのユニット誕生に期待したい。レアル・マドリード(スペイン)ではMF久保建英と下部組織に所属するMF中井卓大がトップチームで競演する可能性もある。すぐには無理だとしても、欧州ビッグクラブレベルで日本人選手による強力なユニットが完成すれば、代表の強化がさらに進んでいきそうだ。

(サッカー担当・森下久)