森保ジャパンの強化合宿で一番アピールしているのは――。

 日本代表の国内組合宿が18日に千葉県内で行われ、初日に続いて紅白戦を実施するなど精力的にメニューをこなした。今回のメンバーは4人がA代表初選出。さらにトレーニングパートナーとして3人が参加し、若手や新戦力がめじろ押しのフレッシュな顔ぶれとなっている。

 しかし、そんな中でも最も目立っているのは最年長のDF長友佑都(35=FC東京)だ。紅白戦では持ち前のフィジカルの強さと運動量を発揮して貫禄の違いを披露。そして誰よりも声を張り上げ、周囲を叱咤激励するなど強烈なリーダーシップを発揮している。

 練習中も積極的にコミュニケーションを図り、特にA代表合宿に初参加した選手のケアも怠らない。チーム全体の雰囲気をよくするためにトレーニングパートナーともこまめに交流。大器と呼ばれるDFチェイス・アンリ(尚志高)をたびたび鼓舞し、大学の後輩のFW佐藤恵允(明大)ともランニングしながら談笑する場面もあった。そのキャプテンシーには、初招集のDF西尾隆矢(C大阪)も「一つひとつのプレーですごく声をかけてくださるので、そういうところですごくいい刺激をもらっている」とすっかり心酔している。

 長友はカタールW杯アジア最終予選でパフォーマンスの低下が指摘され批判を浴びた。一方で、森保一監督は今回の合宿の集合時に「どんなときも前向きにやっていく雰囲気を出してもらえるのはありがたい」とピッチ内外での貢献を高く評価。W杯出場権の行方を左右する27日の中国戦と2月1日のサウジアラビア戦(ともに埼玉)は主将のDF吉田麻也(サンプドリア)が負傷で招集されないため、長友の存在がより重要になりそう。

 指揮官からの厚い信頼に応えるべく〝おっさん〟長友がどん欲な姿勢でアピールに成功している。