ドイツ1部シュツットガルトのDF伊藤洋輝(22)の森保ジャパン入りを元日本代表MFで本紙評論家の前園真聖氏(48)が猛プッシュだ。

 伊藤は今夏にJ2磐田からシュツットガルトに期限付き移籍。守備的MFでもプレーできるが、ドイツではセンターバックや左サイドバックとして起用されるとメキメキと頭角を現し、今季13試合に出場してそのうち11試合で先発。直近では7試合連続でフル出場を果たし、日本代表MF遠藤航も活躍する名門で不動のレギュラーの地位を築いている。

 前園氏は伊藤のめざましい活躍に注目しており「3バックも左サイドバックもでき、落ち着きがあって周りもよく見えています。伊藤のプレーによって遠藤が安定しているところさえあります」と実力を絶賛する。

 守備に加えて高く評価するのが攻撃面の質だ。「あの上背(188センチ)で左利きというのは貴重です。そして、右足の精度も非常に高いことが素晴らしい。スケールの大きい選手ですし、出続けることで自信も身につけています」。11月26日に決めたドイツ初得点は、絶妙なタイミングで抜け出した後、味方のパスを受けて右足で弧を描くような芸術的ゴールだった。まさに攻守両面で世界レベルの超新星というわけだ。

 カタールW杯アジア最終予選で苦戦を強いられている森保ジャパンの立て直しにはうってつけの逸材。前園氏は「今一番、海外組でいい選手。結果を出しているので代表に呼ばない手はないです。後ろのポジションでユーティリティー性もありますし、左サイドバックで起用してみてもいいのではないでしょうか」と進言した。

 森保一監督はDF長友佑都(FC東京)を優先的に起用しているが、パフォーマンスの低下を懸念する声もある。伊藤の抜てきは有力な選択肢の一つとなりそうだ。