森保ジャパンは〝ドーハ会〟の闘魂注入でよみがえるのか――。日本サッカー協会は11月のカタールW杯アジア最終予選のベトナム戦(11日、ハノイ)とオマーン戦(16日、マスカット)に向けて日本代表メンバー27人を発表した。森保一監督(53)の解任論がくすぶる中、レジェンドたちが食事会に集結して指揮官を激励。その仕掛け人となった元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏(54)が内幕を明かした。

 森保監督は4日に行われたメンバー発表会見で「勝利を収めるためにベストなメンバーを選んだ」とA代表初選出のMF三笘薫(サンジロワーズ)ら精鋭たちに大きな期待を寄せた。一方で、試練のアウェー2連戦を前に指揮官にも大きな援軍があった。1日に武田氏が企画して森保監督と斉藤俊秀コーチ(48)、ラモス瑠偉氏(64)、J1横浜FCのFW三浦知良(54)との食事会が開催されたのだ。

 森保監督は「プライベートで武田さんが企画してくださって、ドーハで戦った仲間と一緒に食事することになった」。〝ドーハの悲劇〟として知られる1993年の米国W杯アジア最終予選をともに戦ったメンバーと熱く語り合った。「日本代表、日本サッカーの発展に対する熱い思いを聞かせていただいた。私にかけてもらった言葉は『とにかくドーハ組はみんな応援しているし、思いきって仕事してくれ』と。みんな信じて一緒に戦うと言ってくれた」とドーハ組からの全面サポートを約束された。

 日本サッカー界を彩ってきたスターたちが集結した〝決起集会〟。森保監督は会見では多くを語らなかったが、主催した武田氏がその様子を明かした。「これだけのメンバーが集まるのはオフトジャパンが解散してから初めてだと思う。本当にポイチ(森保監督の愛称)が苦しんでいる中で、やっぱり元気づけられるのはラモスさん、カズさんだと。いろんな批判を浴びている中で、やっぱり仲間ということで激励しようとなった」と緊急開催した経緯を説明。そこでは白熱した議論が交わされた。

「ドーハの時はW杯の出場枠は2だけだった。あの時は称賛もあったが、罵声や批判もすごかった。そういった中でたくましくやってきた。プロじゃなかった時代の話もした。プロとしての責任とは何か、サッカー界の歴史の重み、大切さを話した。カズさんの話を聞いて熱くなったし、みんながパッションを感じて熱い議論になった」と日の丸を背負う意義などを語り尽くしたという。

 最後は「みんな熱い抱擁をして帰った。それが仲間。ドーハ組の魂を込めた」。森保監督に先輩レジェンドたちが闘魂を注入して、7大会連続のW杯出場を後押しした。窮地の森保監督は金言を生かして力強い采配を見せられるか。