崖っぷちの森保ジャパンの前に〝因縁の名将〟が立ちはだかる。日本代表はカタールW杯アジア最終予選で最大のヤマ場となるサウジアラビア戦(7日、ジッダ)へ向けて決戦の地にメンバー全員が集合して練習を行った。苦手とするアウェーの地で大激戦が予想される中、サウジアラビアを率いるフランス人指揮官エルベ・ルナール監督(53)にも注目が集まっている。

 最終予選の初戦で格下オマーンを相手にホームでまさかの黒星を喫して、もう後がない森保ジャパン。同組で2連勝中の強豪サウジアラビアとの一戦は苦手の中東のアウェーということもあり、まさに日本にとって最大の試練となる。

 W杯切符の行方を左右する大一番に世界からも注目が集まっており、アフリカメディア「ルックトラベルズ」はサウジアラビア代表を特集。「エースのMFドサリが順当に選ばれている。そして同じく重要な存在になるのが、前回のW杯でエジプトに2―1で勝利した際にゴールを奪ったMFファラジだ。彼は9月中旬に足を負傷したが、問題はないだろう。チャンスを作る司令塔で日本戦に不可欠だ」とダブルエースが攻撃陣をけん引すると分析した。

 ただ、チームで最も注目を集めているのは、ルナール監督だ。同メディアは「ルナールの部下たちは順調に進んでいる」「ルナールの4―2―3―1のフォーメーションではセンターバックが大きな役割を果たす」など指揮官に着目した報道が多く、中東を拠点にしたメディア「アラブニュース」も「ルナールはサウジアラビア代表のW杯出場権を目指している。彼は熱心に取り組んでいる」と大々的に特集している。

 フランス出身のルナール監督は主にアフリカの代表チームで実績を積み、コートジボワールやザンビアなどの強豪を指揮した後、モロッコ代表を率いて2018年ロシアW杯に出場。1次リーグで敗退したものの、優勝候補のスペインを相手に2―2と互角の打ち合いを演じるなど、その手腕は世界的に評価されている。

 ロシアW杯と前後してモロッコ紙「モロッコニュース」が「日本サッカー協会からルナールの元に契約状況に関して打診があったが、彼は現行契約を全うすると答えて申し出を断ったようだ」と報じるなど、日本代表監督就任の噂も出たこともある〝因縁〟のある名将だ。

 さらに、俳優顔負けのイケメンぶりがロシアW杯前には日本でも大きな話題に。FC東京応援番組のリポーターを務めるタレントの橘ゆりかも本紙のインタビューで「モロッコのルナール監督は超イケメン! 雑誌『サファリ』に出てくるモデルみたい」と目を輝かせていたほどだ。母国フランスや代表を率いたモロッコでは私生活の写真も〝パパラッチ〟されるなど注目を浴びる存在だ。

 そんな名将に対して、森保ジャパンも早くも警戒モード。5日にオンラインで取材に応じたFW大迫勇也(神戸)は「監督がいろいろと規律や戦術をチームに落とし込んでいる印象はある」とその手腕に最大級の警戒を示した。森保監督との采配合戦に大きな注目が集まりそうだ。