岡田武史監督が大激怒「卵ないよ!」 08年日本代表合宿で〝事件〟が…

2021年09月28日 14時00分

日本代表を率いていた時の岡田監督
日本代表を率いていた時の岡田監督

【多事蹴論(15)】日本代表の岡田武史監督が大激怒した意外な理由とは――。2010年南アフリカW杯出場を目指していた日本代表イビチャ・オシム監督が07年11月に急性脳梗塞で倒れた。指揮を継続することが困難となり、急きょ、1998年フランスW杯を指揮した岡田氏が後任監督に就いた。その直後に行われた合宿で指揮官が不快感をあらわにする“事件”があった。

 08年1月、岡田ジャパンは同2月のW杯アジア予選に向けて鹿児島県内で合宿を開始した。突然の監督交代に選手たちも戸惑う中、岡田監督は危機感を持ってチーム強化に励んでいた。そんな合宿中のある日、チームの夕食メニューはすき焼き。岡田監督もウキウキ気分で席に着いたが、当然あると思っていた生卵がなく、スタッフに「卵がないよ!」と声を掛けるも、提供されることはなかった。

 実は日本代表で生ものはご法度。刺し身や生肉はもちろん、すき焼きには定番の生卵も禁止されているのだ。選手が不測の事態に陥らないための処置で衛生面の良くない国に海外遠征したときは、サラダに使う野菜やフルーツですらも水道水で洗うことを避けてミネラルウオーターで洗浄するなど、チーム側は徹底した食品管理、体調管理を行っている。

 一般的に日本人は「胃腸が弱い」とされていることも理由で、選手たちが口に入れるものは原則火を通すことが望ましいとされている。また、海外遠征では当然ながら水道水は禁止。飲むだけではなく、うがいも自粛が求められている。ペットボトルの水を飲む際もフタが緩んでいないかを確認。自身が最初に開けたものではない場合「決して飲まないように」との指示も出されている。

 あくまで時と場合によるものの、フランスW杯に初出場する以前の日本代表では海外遠征で体調不良になったり、おなかを壊す選手が出ることも多く、試合で本来の力を発揮できないケースもあった。そうした事態を防ぐため、日本代表では細心の注意を払い、国内外に限らず、食事面で万全を期しているのだ。

 岡田監督は改めて代表スタッフから生卵を出せない理由について説明を受けたが、納得できなかったようで「すき焼きといえば卵だろう! なんでないんだよ!」と強い口調でクレームをつけたそうだ。もちろん、ルールとあって岡田監督を特別扱いすることはなかった。諦めた指揮官は仕方なくイレブンと同じように生卵なしですき焼きを食していたという。

 後日、岡田監督は「だってすき焼きには卵がつきものでしょ。なんでないの? なんで選手も文句を言わないの? 黙って食べていたけど、それでいいのかな。おかしいよ」と話しており、最後まで不満げな表情を見せていたという。

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