森保ジャパンが2日に吹田で行われたカタールW杯アジア最終予選の初戦オマーン戦で0―1とまさかの敗戦を喫し、7大会連続のW杯出場へ向けて苦しいスタートとなった。日本はアジア予選出場7試合連続ゴール中のエースMF南野拓実(26=リバプール)が左太もも痛の影響でスタメンを外れる中で攻撃陣が機能せず、終盤にまさかの失点で悪夢の黒星となった。

 立ち上がりから日本は強い雨が降りしきる中でピッチがぬかるんだこともあり、思うようにボールをまわせない。序盤こそ主導権を握ったが、オマーンも積極的にプレスをかけながら効果的にカウンターを仕掛けてきて、ピンチを迎える場面も増えてくる。

 なかなか決定的なチャンスを作れない中で前半を0―0のまま折り返すと、日本は後半6分に絶体絶命のピンチを迎える。

 右サイドでMFファワズのドリブルでDF酒井宏樹が振り切られ、ゴール前へ決定的なクロスを上げられると、DF長友佑都の左腕に当たってしまい、オマーンにPKの判定。しかしビデオアシスタントレフェリー(VAR)による判定となり、腕が体に密着していて故意ではないと主審が判断し、PK判定は取り消しとなりピンチを逃れた。

 命拾いした日本だったが、その後はオマーンにたびたびチャンスを作られる苦しい展開に。森保監督はたまらず攻撃のカードを切る。

 後半18分にMF伊東純也に代えてMF堂安律、さらに後半25分にはMF鎌田大地に代えてトップ下の位置で久保を投入し、東京五輪世代のエースコンビに命運を託す。

 しかし不穏なムードは変えられず、日本にとって悪夢の瞬間が訪れる。

 土壇場の後半43分、オマーンのカウンターで日本は左サイドを突破されると、中央へのクロスを入れられて途中出場のFWアルサビに決められてしまった。

 勝負所で痛恨の先制点を献上した日本はこの1点が重くのしかかり、最後まで得点を奪えないまま無情にも試合終了のホイッスル。格下オマーンを相手にホームでまさかの黒星を喫してしまった。

 試合後、主将のDF吉田麻也は「負けるべくして負けた。テンポもコンビネーションもよくなかった。もっと思いきってプレーしないといけない」と声を震わせながら言葉を振り絞り、長友も「ありえない敗戦と思う」と厳しい表情で語った。

 ホームで格下オマーンに敗れたことで、森保ジャパンは最終予選で最悪のスタート。7大会連続のW杯出場に早くも黄信号が灯った。