東京五輪サッカー男子代表の主将を務めるDF吉田麻也(32=サンプドリア)が、大会の無観客開催を再考するよう強く訴えた。

 新型コロナ禍の深刻化により、すでに宮城と静岡以外は無観客開催(茨城は学校連携の児童・生徒のみ招待)が決定しているが、吉田は17日に行われたスペイン戦後に有観客開催への再変更を求めた。

「この大会をやるうえで国民の税金がたくさん使われている。なのに、国民が見に行けないのは誰のため、何のための五輪なのかという疑問がある」と提起。

「ファンの前でプレーしたい。JOC(日本オリンピック委員会)の山下会長もオンライン壮行会で『自分たちも小さい時に五輪を見て衝撃を受けて感動した』と。子どもたちにもっとできることがある。ソーシャルワーカーの方たちが毎日命をかけて戦っていることは重々理解しているし、五輪をやれるだけでも僕たちは感謝しなくちゃいけないけど、選手たちも毎日、命、人生をかけて戦っている」と思いの丈を吐露した。

 その上で「だから、なんとかもう一度考えてほしい。真剣に検討してほしい。選手だけじゃなく家族も戦っているので、その人たちが見られない大会なんて何のための大会なのかはクエスチョンがある。本当に、真剣にもう一度検討して頂きたい」と繰り返し訴えた。

 アスリートの立場から声を上げた吉田。とはいえ東京を中心に新型コロナ禍が極めて危険な状況にある中での訴えは波紋を呼びそうだ。