J1首位・浦和「世紀のV逸」再び?

2014年11月24日 07時30分

痛恨の敗戦に浦和の選手たちはがっくり

 J1首位の浦和は22日、ホームで2位のG大阪に0―2で敗れ、優勝は持ち越しになった。これまで意思統一できていたはずの試合プランが、大一番でまさかの崩壊。依然として勝ち点2差で首位に立っているものの、残り2試合の対戦相手はいずれも一筋縄ではいかない因縁深いチームとあって、悪夢の再現が現実味を帯びてきた。

 今季最多の5万6758人が詰め掛けた埼玉スタジアムで、浦和の8年ぶりの美酒はお預けとなった。押し気味に試合を進めながら、試合終了間際に2失点。浦和の選手、関係者は大一番に敗れたショックに包まれた。

 敗戦という結果もさることながら、チームの規律が乱れたことがショックを増大させた。これまで多かった終盤の失点を防ぐため、選手同士で声を掛け合うことで守備が安定。だが「勝てばホームで優勝」という状況が選手たちの心を微妙に揺さぶった。「引き分け狙いでいい」のか「あくまで勝利にこだわる」のか。大事なところで考えが二分してしまったのだ。

 GK西川周作(28)は「勝ちにいくのが自分たちのスタイル。引き分け狙いの戦い方はしてはいけない。勝ちにいった結果なのでネガティブになる必要はない」。だがDF槙野智章(27)は「引き分けでも僕たち的にはよかった。勝てばホームで優勝という状況で残り5分、前がかりになった。もう少しチームの規律を持ってやればよかった」と反省。栄光がチラついた瞬間に微妙な温度差が生まれた。

 スコアレスドローでG大阪との勝ち点差を5のままにしておけば、有利な状況に変わりはなかった。これまで通り終盤の守備的戦術を貫いていれば、チーム内の規律がブレることもなかった。

 だが、終盤のわずかな判断ミスで相手カウンターのエジキになり、絶対的なアドバンテージは消えてしまった。

 今回の痛恨の敗戦で、浦和は一転してV逸の危機に立たされることになった。残り2試合で2連勝すれば優勝できるとはいえ、ともに簡単な相手ではない。次節(29日)の相手・鳥栖とは過去、アウェーで過去1勝4敗。昨年、一昨年ともに今回と同じ第33節にアウェー戦が組まれ、1―4、1―3と大敗している。今季のホーム戦(3月8日)でも日本代表FW豊田陽平(29)の得点で0―1で敗れている。

 さらに名古屋との最終戦(12月6日)には、8年前のVの立役者DF田中マルクス闘莉王(33)が立ちはだかる。浦和出身の西野朗監督(59)はG大阪の指揮官として臨んだ8年前の最終決戦で敗戦。因縁深き面々が浦和の優勝を全力で阻止しにくるはずだ。

 一方のG大阪の次節は、7月27日のアウェー戦で5―1と大勝した神戸が相手。さらに最終戦は、すでに来季のJ2降格が決定し、今季ホーム未勝利の最下位・徳島。勝ち点の上積みは浦和と比べて難しくない。

 7年前、首位に立っていた浦和は残り5試合で2勝(勝ち点6)挙げれば優勝という圧倒的有利な条件だったにもかかわらず未勝利(3分け2敗)に終わり、9連勝フィニッシュの鹿島に逆転され「世紀のV逸」を味わった。8年前のリーグ優勝と7年前のV逸の両方を知るMF平川忠亮(35)は「負けから学ぶことは多い。厳しい負けではあったけど、それを糧にしないといけない。まだ自力優勝はできるので」とベテランらしく冷静に前を向いた。浦和に再び訪れるのは歓喜か、それとも…。