サッカー男子の東京五輪代表で〝史上最強メンバー〟が実現した理由とは――。

 日本サッカー協会は22日に東京五輪代表メンバー18人を発表した。

 MF久保建英(20=ヘタフェ)やMF堂安律(23=ビーレフェルト)を始め、オーバーエージ(OA)枠でもA代表で主将を務めるDF吉田麻也(32=サンプドリア)など盤石の布陣。森保一監督(52)は「金メダルを獲得するために現時点でのベストメンバー」と自信満々に語ったが、これまでの大会で欧州組を始め招集交渉の難航が当たり前だった五輪代表で、なぜ今回は指揮官が希望するベストメンバーの招集が実現したのか。

 森保監督がA代表との兼任で両代表間での調整が不要になったことも大きいが、協会による欧州クラブとの〝交渉力〟の強化も大きい。

 北京五輪で監督を務めた経験のある日本サッカー協会の反町康治技術委員長(57)は「五輪は特殊な大会で、だいたいが休みに入って次のシーズンの準備期間で行われる。難しい折衝になる。北京五輪のときは事前のクラブとの交渉があまりうまくいかなかった。最後になってドタバタしたのは否めない。欧州に拠点を置いてOAもクラブとうまく交渉してこうしたチームを作り上げることができた。我々の努力で海外組が増えても意図するチーム作りができるようになった」と胸を張った。

 そして「6月の段階でOAを入れられたことは今までなかった。なので我々は一歩リードしている」と躍進に自信を見せる。

 森保監督も「今回JFAは欧州に拠点を置いて、国際委員が各クラブと交渉してくれたおかげで(意図する)チーム編成ができた。ピッチを支えてくれる部分での環境のレベルアップも非常に大きい。現場の我々の意向をくんで、全面的にサポートして頂いている」と協会のバックパップに感謝した。協会の強力サポートを得て、金メダル獲りへの準備は整った。