韓国でサッカー日韓戦における新型コロナウイルスの感染対策が「ずさん」と批判が高まっている。

 韓国紙「スポーツソウル」は日韓戦を振り返り「粗末な防疫体制。韓日戦を見ると、Kリーグがどれだけ優れているか分かる」と題して、日本側の感染対策を非難した。

「日本サッカー協会は防疫対策の徹底を約束したが、韓国、特にKリーグのガイドラインと比較すると混乱していた。大型の競技場にかかわらず2階は空にして観衆が集まって座っていたことは疑問だ。あえて観客を同じエリアに追い込んだ。案内板には距離を置くべきと明示しておきながら、実際にはほとんど実行されていなかった」と観客同士の距離の取り方に疑問を呈した。

 さらに「より深刻なのは、マスクを着用していない観客を簡単に見つけることができたという点である。中継画面には子供たちがマスクを着けずに試合を観戦する姿が捉えられ、マスクを脱いで食事をする観客もいた。あちこちに防疫のルールを破る観衆が出た」と厳しく糾弾した。

 ただ、韓国側の指摘は日本側で定められている感染対策にはいずれも違反しておらず、日本と韓国における基準の相違と言える。

 同紙は「韓国では日本が新型コロナの防疫が〝ずさんな国〟として評価されている。日本サッカー協会はJリーグの防疫を見習って今回の試合の準備をしたが、そもそも韓国に比べて危険な環境であった」と日本全体の感染対策が甘いと批判した。

 そのうえで「今回の韓日戦を通じてKリーグ防疫の優秀性が確認できた。入念にマニュアルを作り、クラブも積極的に協力したおかげで、昨年Kリーグ2部で一人の感染者が出たことを除けば大きな不祥事はない。防疫だけは韓国が日本よりもはるかに優れていることを確認した韓日戦であった」。結果は3―0で日本の勝利だったが、感染対策に関しては逆に韓国が〝圧勝〟と胸を張った。

 感染対策は国によって独自の基準があり一概に優劣は付けられないが、韓国側にとっては試合の惨敗の憂さを晴らすために、日本を攻撃する材料にしたかったのかもしれない。