U―24日本代表は26日、U―24アルゼンチン代表と対戦し、0―1で敗戦。最少失点での敗戦だが、元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏はこの試合、どう見たか――。

 東京五輪を戦うU―24日本代表は、26日の国際親善試合U―24アルゼンチン代表戦(東京)で0―1の敗戦。点差以上に力の差を見せつけられた試合だった。相手の国内組11人は、3日前に丸1日かけて移動してきたばかり。コンディションはまだ50~60%といったところだろうけど、世代トップレベルのチームとはまだ大きな差があった。

 アルゼンチンは、同じ南米のブラジルと違って魅せる部分での派手さはないけど、体の強さ、プレーの正確さ、いい意味でのずる賢さが特徴。今回の来日チームもそんなところが試合中、随所に出ていた。自分もパラグアイにいたとき、アルゼンチンに行ってプレーしたときには、そんな〝うまさ〟を痛感させられたからね。

 だから期待されたMF三笘薫(23=川崎)は、Jリーグでは得意のドリブルで抜けたであろう場面も止められていたし、Jリーグのレベルを上げていく必要性を改めて感じたよ。それにMF久保建英(19=ヘタフェ)が1人で突破しても、いざとなれば相手はファウルで止めにくるしたたかさを見せたので、久保も決定的な仕事をさせてもらえなかった。

 東京五輪を見据えると、メダルは厳しいのが現状。何とか目標に近づくにはFW大迫勇也(30=ブレーメン)らが候補になっているベストのオーバーエージ(OA)を3人入れた上で2人目、3人目の連動で勝負するしかないだろう。それに今回のメンバーが世界基準を知った経験をどう生かしていくかも重要だね。(元日本代表FW)