サッカー日韓戦(25日、日産ス)の開催に注目が集まる中、ついに韓国が東京五輪に〝矛先〟を向けてきた。日韓戦に臨む両国の代表が22日から合宿をスタートさせたが、両国では日韓戦の開催に対する批判が殺到しており、反対ムードは高まるばかり。そうした中で韓国メディアが今度は日本の受け入れ態勢に〝クレーム〟をつけ、五輪開催を疑問視したのだ。

 新型コロナ禍における日韓戦の開催に対して、日本でもネット上で批判の声が多いが、韓国でも批判の嵐が巻き起こる。韓国メディア「ウィキツリー」は「韓国サッカー協会(KFA)に対する非難の殺到が深刻化している」と報じ、世論の過熱ぶりはまさに沸点を迎えようとしている。

 そうした国民のピリピリムードを受けて、KFAも感染対策を徹底。複数の現地メディアによると、韓国代表の選手やスタッフは全員がマスクの上にフェースガードを重ね、さらに手袋まで着用する徹底ぶりで仁川空港から出国した。

 まさに韓国代表の一挙手一投足に注目が集まる中で、韓国メディアから〝標的〟にされたのが日本側の受け入れ態勢だ。

「聯合ニュース」は「韓国代表チームが(成田)空港での新型コロナ検査を受けて結果を確認するまで2時間かかった。航空機での搭乗時間と同じだけ空港で待機させられる選手たちは、やや疲れたようだった」。検査結果の判明までに時間を要することで選手のコンディションに影響が出ることを危惧した。

 さらに「日本サッカー協会と空港当局が協力して韓国チームと一般人の接触の可能性を減らすために努力した。しかし、不特定多数が行き交う空間である成田空港で韓国代表チームのための専用通路などが特別に用意されたわけではなく、バブル(外部との遮断)の戦略は完全なのか」と指摘。関係者専用のVIPルートを用意しなかったとして日本側の対応を問題視したのだ。

 同メディアの指摘する点が不備にあたるかは意見が分かれそうだが、韓国側は鬼の首を取ったかのように過剰に反応。「韓国代表チームの入国過程だけを見ても、五輪の際に世界各国から来た選手たちをすべてチェックし、一般人と接触しないようにブロックすることがいかに難しいか、十分予想できる」と東京五輪にまで話が及び、安全な開催は困難との見解を示した。

 かねて韓国内では東京五輪の開催に反対する声が根強くあり、本紙が既報したように五輪のテストイベントとなる日韓戦を、韓国メディアは「放射能汚染」という暴論や過去の「植民地支配」まで持ち出して反対ムードを煽ってきた。今回いきなり入国時の対応を批判したことは〝東京五輪潰し〟の意図も見え隠れする。今後少しでも日本の対応に問題があれば、韓国が五輪反対の急先鋒となりそうだ。