国際親善試合の韓国戦(25日、日産スタジアム)に臨む森保ジャパンで〝1トップ問題〟が改めてクローズアップされている。

 日本代表はFW大迫勇也(30=ブレーメン)を1トップに置く布陣で新体制発足から快進撃を見せ、2019年のアジアカップで準優勝を果たした。その一方、大迫が低迷するとチームのパフォーマンスも低下するという問題にも直面。しかも最近の大迫は所属クラブでスランプに陥り、特に21年に入ると出番が激減。ここ4試合は出番なしとあって代表への影響も懸念されている。

 元日本代表MF前園真聖氏(47)も以前から「アジアカップのころは不動のエースでした。大迫がいるといないではチームのデキに大きな差が出ています。最近は明らかに調子を落としているので、彼が不在でもいい試合ができるようにならないと…。そこをどう解決していくのか」と話していたが、課題はいまだに解消されていない。

 すでに森保一監督(52)は昨年にFW鈴木武蔵(27=ベールスホット)とFW浅野拓磨(26=パルチザン)を招集している。しかし鈴木はシーズン中盤以降、無得点。また今季15ゴールをマークし、絶好調の浅野は1トップのタイプではないため、大迫の代役としては難しい状況だ。

 これまでに1トップとしてMF鎌田大地(24=Eフランクフルト)をテストするも、本人が〝適性なし〟を強調。MF南野拓実(26=サウサンプトン)も最前線で試しているが、もともとトップ下を務め、中盤の軸として機能しているため、チームのバランスが崩れる可能性もある。

 いずれにしても、森保ジャパンの軸となる1トップ問題をクリアしないことには、レベルアップは見込めない。森保監督自身も昨年11月の欧州遠征の際、チームの課題について「決めきる決定力の部分」とし「プレッシャーをかいくぐってコントロールし、試合を進められるように力を付けなければいけない」と語っている。

 新型コロナウイルスの影響でコンスタントに代表活動が行えず、ベストメンバーも招集できない中、大幅な戦術変更やシステム変更は難しいだけに、ストライカー陣の選手選考を含めて森保監督はどんな手を打つのだろうか。