10年ぶりに国際親善試合として行われるサッカーの日韓戦(25日、日産)で注目を集める両エースの招集は“観客の有無”がカギを握っている。

 新型コロナウイルス禍の開催とあって欧州組招集が焦点となっている中、韓国側で特に注目を集めているのは、絶対エースのFW孫興民(ソン・フンミン=28、トットナム)の動向。当初は招集が困難とみられていたが、韓国の大手テレビ局「YTN」は「孫興民が合流することになる。複数のサッカー協会の関係者が『孫興民の招集に前向きな返信が来た』としている。英国はスポーツのエリート選手が入国時の新型コロナ検査で陰性判定の場合は隔離をしない」と報じた。

 ただ、この特例措置の適用には条件がある。同局は「自己隔離免除は無観客試合に対応しており、もし日韓戦に観衆が入場すると、英国では、再入国後10日間の隔離が必要となり、トットナムが招集を拒否する可能性もある」と説明。イングランド・プレミアリーグは現在も無観客開催が続いており、状況の異なる有観客試合に出場した場合は特例措置の対象外としたためだという。英国内でも地域によって差はあるが、同リーグでプレーする日本のエースMF南野拓実(26=サウサンプトン)も同様の状況だろう。

 とはいえ、日本サッカー協会では反町康治技術委員長(57)が「できればお客さんがいる中で試合をしたい」と語ったように、有観客試合での開催を目指している。目玉選手の招集と客入りのどちらを優先するのか。各方面の思惑も絡んでギリギリまで駆け引きが続きそうだ。