森保ジャパンで深まる〝エース依存〟は吉と出るか凶と出るか。日本代表の森保一監督(52)が24日にオンラインで取材に応じ、パナマ、メキシコと対戦したオーストリア遠征の総括を行った。

 パナマ戦は1―0と勝利したが、メキシコには0―2の完敗。強豪相手で浮き彫りになった得点力不足が喫緊の課題だが、指揮官が攻撃陣のキーマンに挙げるのが10番を背負うMF南野拓実(25=リバプール)だ。

 南野は初戦のパナマ戦で自ら得たPKで決勝点を挙げ、先発を大幅に入れ替えたメキシコ戦は0―0の後半途中から試合を決めるべく投入された。指揮官は「南野は前線の全てのポジション、トップも2列目もどこでもやってもらえるので、今回の戦いでもそこは試してプレーしてもらった」と起用の意図を説明した。攻撃的ポジションを全て高いレベルでこなせる器用さは他の選手と替えが利かない。昨年9月から始まった2022年カタールW杯アジア2次予選では日本代表史上初の開幕4試合連続ゴールという勝負強さにもほれ込んでおり、来年3月から再開されるW杯予選でも攻撃の柱として中心視している。

 だが、現在の南野につきまとうのがクラブでの実戦不足だ。リバプールでは序列が下がり続け、現状はベンチ入りのボーダーライン上。今後まともに出場機会を得られなければ、代表でのパフォーマンスにも不安が出てくる。そのため残りのシーズンでレギュラーを奪うか、ベンチを温め続けるか、はたまた出場機会を求めて来年1月の移籍市場で新天地を探すかの決断を迫られる。

 クラブで窮地を脱却できないままでの〝心中〟は、7大会連続W杯出場を目指す上で危険な賭けとなりそうだ。