世界との差は歴然…。サッカー日本代表が17日(日本時間18日)の国際親善試合メキシコ戦(オーストリア)で0―2と完敗を喫し、波紋が広がっている。10月の活動再開後は3戦無敗(2勝1分け)だったが、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング11位の格上(日本は27位)になると、攻守ともに歯が立たなかった。目標とする2022年カタールW杯での8強入りへ突きつけられた厳しい現実。本紙評論家の元日本代表FW武田修宏氏(53)は根本的な問題点を指摘した。

【武田修宏の直言!】FIFAランキング11位、先月はオランダに勝ったメキシコ相手に強豪との実力差を見極めたかったんだろうけど、「大人と子供」と言ってもいいくらい、点差以上の差があったね。

 何度かあった前半のチャンスで決め切れていれば展開が変わっていたかもしれないという見方もあるようだけど、メキシコは14日の韓国戦から中2日。前半は手を抜いていたし、例えゴールを決めていたとしても、結果は変わらなかったんじゃないかな。メキシコは韓国戦で1点ビハインドの後半にわずか4分間に3点を取ったし、そのような展開になっていたと思うよ。実際、日本は相手がギアを入れてきた後半に5分間で2点決められてしまった。

 主将のDF吉田(麻也=32、サンプドリア)も言っていたように、これが世界との実力差。森保(一)監督(52)の戦術とか言われている向きもあるけど、やっぱり個人のクオリティーのところが圧倒的に足りない。メキシコくらいの相手になると、日本がいくら組織的に守ったとしても、個人の力でうまくやられてしまう。今の守備では10月に対戦したカメルーンやコートジボワール、13日のパナマなどの相手までにしか通用しないということだろうね。

 世間で注目されているMF久保(建英=19、ビリャレアル)だけど、いいプレーもあった。ただ、現時点ではMF原口(元気=29、ハノーバー)のほうがハードワークができるし、トータルで見たら上だと思う。久保が先発したパナマ戦はサブが中心だったし、招集メンバーのベストだったメキシコ戦は後半途中出場。起用法にも代表内の立ち位置が表れている。まだ代表のゴールもないし、所属チームでもレギュラーではない。プロは結果が全てだからね。

 今回はMF遠藤(航=27、シュツットガルト)やMF鎌田(大地=24、Eフランクフルト)に成長を感じたけど、それ以上に世界は進化し続けている。このままではアジア予選はともかく、W杯8強入りは厳しい。欧州組も国内組も今まで以上に危機感を持ってやってほしいね。

(元日本代表FW)