【日本代表パナマ戦】大活躍の久保建英が持つ“類いまれなカリスマ性”

2020年11月14日 11時30分

久保(右)と柴崎(中)が先制点を決めた南野を祝福(日本サッカー協会提供)

“日本の至宝”が持つカリスマ性の正体とは――。サッカー日本代表が13日の国際親善試合パナマ戦に1―0と勝利し、先発したMF久保建英(19=ビリャレアル)が決勝点を演出する活躍を見せた。10月のコートジボワール戦から2試合連続のスタメン出場で存在感は増すばかりだが、将来はあの2人のレジェンドの資質を併せ持つスターへと成長していきそうだ。

 強豪パナマとの一戦でピッチ上を支配していたのは久保だった。決勝点につながる後半15分の場面。相手陣内でボールを受けると、パナマDF陣の背後へと走り込むMF南野拓実(25=リバプール)の動きに合わせてドンピシャのタイミングでスルーパスを送る。

 これを受けた南野はGKルイス・メヒア(29)と1対1の大チャンスを迎え、反則で倒されてPKを獲得。これを南野がしっかりと決めて先制ゴールを奪った。記録上はつかないものの、得点につながる絶好機を演出した“アシスト”だ。

 久保は立ち上がりの前半2分にも見せ場をつくった。右サイドのペナルティーエリア手前からFKでキッカーを務めると、得意の左足からゴール前へカーブがかかった絶妙クロスを上げ、MF橋本拳人(27=ロストフ)がヘッドで合わせる。惜しくもGKの正面だったが、コースが良ければ1点もののシーンだった。

 まさに森保ジャパンの攻撃をけん引する大活躍。試合後、南野へのパスについて「PKという形でゴールにつながってよかった。今日みたいなラストパスを出せれば、それがゴールにもつながってくる」と普段はクールな久保が珍しく自画自賛。待望のA代表初ゴールへ向けても「今日は起点という形だったけど、どんどん今日みたいなプレーを続けていけば(ゴールも)近いのかな」と意欲を見せた。

 先発した10月のコートジボワール戦では不完全燃焼だったが、今年最後の代表活動となるオーストリア遠征で結果を出し、エースへの階段を着実に上っていることを証明した。ピッチ上でのプレーはもちろん、内に秘めたスター性も輝きを放ち始めた。

 J1FC東京時代の恩師にあたる福井哲氏(65=城西国際大サッカー部監督)は「画面を通してその後ろに何億という人が、どう聞くのかということを“後ろの後ろ”まで考えてやっている。それができる選手」とスーパースターに求められる“発信力”という資質を備えていると指摘。今やその部分も成長を遂げており「海外のトップチームでやってきて、直球と変化球という使い分けができてきた成長はある。相手の頭の中を読め、相手の求めるものを推察して発信できるようになった」。これまで得意だった物事の核心を突く直言に加え、状況に応じて変幻自在の言葉を交えながら人を引きつける魅力も身に付けたのだ。

 その“硬”と“軟”を福井氏はこう例える。「剛速球を投げるのが本田圭佑(34=ボタフォゴ)。“理想的”なコメントを出すのが長谷部(誠=36、Eフランクフルト)」。本田は大胆なビッグマウス、長谷部は周りの意見を取り入れながら求心力を高めたが、そんな2人のカリスマ性を久保は併せ持っているというわけだ。

 スペインで磨きをかける高いテクニックに加えて類いまれなカリスマ性。日本が誇るスーパーエースとなりそうだ。