なでしこジャパンのGK山根恵里奈(29)が感謝の思いを胸に、代表候補合宿に挑んでいる。

 山根は高校入学時に福島の地に足を踏み入れ、JFAアカデミー福島と東京電力マリーゼでプレーした経験がある。21日のオンライン取材では「自分にとっては第2の故郷であり、特別な場所。またそこにウエアを着て戻って来られたことはうれしいですし、特別な感じです」と笑みを浮かべた。

 合宿地の福島・Jヴィレッジは、東日本大震災の影響で一時はピッチが駐車場などとして使用されていた。「(福島第一原子力発電所の)汚染物質の一時置き場になっていたピッチ6の風景など、全部を見てきた。自分がサッカーをしていたポジティブじゃない部分も浮かんでくるので、整理するのも時間がかかるが、自分も元気でグラウンドもきれいによみがえっているところを新しい自分の思い出として一個一個残していけたらいいな」と神妙に語った。

 メンバーの多くは年下だが「チャレンジャーとしてやっていく気持ちが大きい」と気合は十分。思い出の場所で自分の力を十二分に発揮したいところだ。