久保建 1年ぶりの森保ジャパンで見せたピッチ内外での超進化

2020年10月06日 11時00分

1年間でつかんだ自信を語った久保建英

 サッカー日本代表がようやく始動となった。新型コロナウイルス禍で活動がストップしていたが、カメルーンとの国際親善試合(9日、ユトレヒト)に向けてオランダで合宿を開始した。1年ぶりとなった森保ジャパンで特に注目を集めるのが、MF久保建英(19=ビリャレアル)だ。この1年での成長は久保自身も実感している中で、FC東京時代の恩師にあたる福井哲氏(65=城西国際大サッカー部監督)は意外なポイントを指摘。“日本の至宝”が見せるピッチ内外の進化とは――。

 合宿初日の5日にオンラインで取材に応じた久保は、A代表の活動がなかった1年間の成長を口にした。

「昨年と違うところは何かと言われると、実績を積んできた。スペインは世界でトップのリーグの一つだし、マジョルカで格上もしくは同格の相手と互角以上に渡り合った」。前回のA代表活動だった昨年10月にはスペイン1部リーグ初挑戦となったマジョルカでレギュラー争いに苦戦し、出場機会も少なかったが、その後は実力でレギュラーをつかみ4ゴール5アシストをマーク。堂々の成績で、今季は強豪ビリャレアルへとステップアップを果たした。本人も「それは確かな自信となって自分の中にあるので、一段階上のレベルに選手として(代表に)いれている」と進化を実感している。

“至宝”の進化はそれだけではない。古巣のFC東京時代に育成部門の責任者として関わった経験から、福井氏はある変化を見て取った。

「FC東京でもトップチームに上がった時に首の太さが変わったが、そういう意味で(新型コロナ禍の)自粛期間中にきちっと自分の体をケアして必要なものを獲得した。かなり徹底してやったのではないか」

 久保は昨季のリーグ戦中断で個人練習を強いられた時期にフィジカル面を徹底強化。再開時には“マッチョ化”が話題になった。確かに全体的にサイズアップした印象だが、特に重要なのが「首」だという。

「彼の場合は生命線。サイズが今から大きく上がることは期待できない中で、彼は当然それを自覚していて(海外で通用する)プロ仕様の体をつくっている。いろんなコンタクトの中で軸がしっかりしているか、していないかでかなり違うからね。あまり(ピッチに)倒れる印象がないでしょう」と福井氏は分析。かつて元日本代表MF本田圭佑(34=ボタフォゴ)がロシア時代に首を強化して飛躍につながったと大叔父にあたる本田大三郎氏が本紙のインタビューで指摘していたが、久保も首の太さが成長のカギというわけだ。

 ピッチ外でも成長の跡がうかがえるという。それは“トーク力”だ。

「もともと頭は良いが、直球しか投げられなかった選手が、変化球も投げられるようになったなと。ウイットに富んだ言葉も自然と出せる。相手の求めるものを推察して発信するという、ここは直球、ここは変化球という使い分けができるようになった」

 例えばビリャレアルの入団会見で、初めてのチームカラーとなる黄色について「自分の色に染めていけたら」と語っており、場によって臨機応変に印象的な言葉を発信できるようになったという。これは常に注目を浴びる一流のスター選手には必要な資質と言えるだろう。

 大きな進化を遂げた久保が「いつも狙っている」というA代表初ゴールを今度こそ見せてくれそうだ。