日本代表と東京五輪代表を兼務する森保一監督(51)が21日にウェブ上で取材に応じ、スペイン2部で明暗を分けたFW岡崎慎司(34=ウエスカ)とMF柴崎岳(28=デポルティボ)について語った。

 岡崎はウエスカのエースとして優勝と1部昇格に大きく貢献。「1部昇格に貢献している12ゴール。VARに取り消されたゴールもある。チームを勝利に導く結果を出していることは素晴らしい」と絶賛した。

 12ゴールという数字だけでなく、その中身も濃いと指揮官。「何よりも内容的にいい。FWではあるが攻守にわたってチームの勝利に貢献している。長いシーズン、コロナ禍の中でいろんな選手がメンタル的にもフィジカル的にも難しい戦いを強いられたが、岡崎は常にいいパフォーマンスをした。ガムシャラに泥くさく、かつ賢くプレーしている。常にベストな状態を出せていた」とベテランらしく心身両面の強靭さを指摘。さらに「攻撃に関しては繰り返し駆け引きをしている。最後に点を取れるのは、相手との駆け引きに勝って、賢く高い技術を発揮できるということ」と岡崎の強みがさらに磨かれていると分析した。

 それは今後の日本代表でも大きな武器になるといい「日本が世界で勝っていくためには、攻撃だけやればいい、守備だけやればいいということでは世界につながらない。岡崎がやっているような前線で全力で守備をして中盤の選手を助けること」と重ねて評した。

 一方で柴崎は3部降格の屈辱を味わった。「シーズン途中まではレギュラーとして定着できない印象を持っていたが、途中からレギュラーを取ってチームの中で信頼を勝ち得てプレーした」と苦戦の中で今季のプレーには一定の評価。一方で「デポルティボはすごくいいチームだと思うが、3部に落ちてしまうのはすごく残念。岳がこれからどういう去就かは私は分からないが、彼の選手としての価値はしっかり見させてもらえた」。代表の選手が3部でプレーするのは現実的ではないだけに、今後の去就に注目が集まる。