なでしこジャパンの高倉麻子監督(52)が20日にウェブ上で取材に応じ、東京五輪の延期について複雑な胸中を明かした。

「率直に、このままやりたかった思いはあったけど、自分たちのチームを考えると若い選手が多いので『1年もらったな』というのが正直な気持ち」とまずはプラス面を強調した高倉監督。

 だが新型コロナ禍は終息の気配を見せず、代表活動も困難な状況だけに「合宿もできないし、たくさんの試合ができるわけでもない。工夫をしていかないといけない」と頭を悩ませている。

 なでしこリーグが4か月遅れで開幕し「始まったところで一度みんなで集まって話をしたかった」というが、リーグ戦の過密日程を考慮して取りやめ。「10、11月に国内合宿をやるのが年内で立てられる予定」とし、それまでは「リーグの監督と話をして、選手に代表にやっていることを映像で送るというのを許可をもらいながらできるかもしれない」と代表のレギュラークラスに映像を送付して情報共有を図っていく考えだ。

 また、別の懸念もある。「トレーニングマッチを見に行って遠巻きに話をしたが、選手は『五輪やるのかな』とすごく不安がっていて『そうだね、でもやるつもりで頑張ろう』という話はした」。リーグ開幕前の調整期間中に視察へ赴いた際に、選手からは五輪の開催自体を危ぶむ声が聞かれたという。新型コロナ禍の現状から各方面で開催を疑問視する声が上がっており、選手の精神面のケアも今後の課題になりそうだ。