ギラギラした選手がいれば…なでしこジャパンは活性化する

2020年04月28日 11時00分

【なでしこリーグ歴代最182点 大野忍 ひとりごと】 新型コロナウイルスの影響で世界のスポーツはほぼ止まり、東京五輪も1年延期となりました。選手たちもモチベーションを保つのは簡単ではありません。ですが、これはなでしこジャパンにとってはプラスに捉えなければいけないでしょう。

 五輪の前哨戦と言われた3月の国際親善大会「シービリーブスカップ」で見せ場もなく3連敗。あのまま五輪に向かったら、間違いなく惨敗だったと思います。今はチャレンジャーとなっているなでしこジャパンとしては、あと1年、強くなるための時間をもらったわけですし、相手を研究する時間もできた。これをチャンスと考えないほうがおかしいです。

 とはいえ、今は試合もないし、合宿もできない。活動を休止したチームもあるので、個人の心掛けに頼らざるを得ない部分も多いです。この状況で、いかに体調やモチベーションを維持できるか。リーグ戦が再開した際に、ひどいパフォーマンスを見せて「やっぱり、こんなもんか」と思われるのか、それとも抜群のプレーを披露して「準備を怠らなかったなでしこの選手はさすがだ」と思われるのかで、その後の「見られ方」は大きく変わってきます。

 今の選手は私の若いころに比べ、本当にうまいし、いろんなサッカーも知っている。でも、なんでそれを発揮できないんだろう。単純に気持ちの問題で、日の丸をつけて戦っている重みや多くの人に支えられてサッカーがやれていることを認識できていないからなんだろうな。もちろん、選手たちは「そんなことはない」と言うでしょう。でも私が聞く限り、今の代表選手は合宿でミーティングもほとんどしていないし、選手同士の意見の衝突とかもない。自分たちに危機感があり、何のため、誰のためにサッカーをしているのかを自覚していれば、もっと活発な意見交換があるはず。私たちの時代はそれが当たり前の環境でした。

 これからなでしこジャパンが強くなるために必要なのは、技術や連係の向上ではなく、戦う気持ちを前面に出せるかというところです。そして、1年延びたことで「私にもチャンスが回ってきた」と考える選手がどれだけいるかも重要です。

 今の代表選手は決して安泰じゃない。序列をひっくり返してやろうとギラギラした選手がいれば、女子サッカーは活性化する。このコロナ騒動が終息してリーグ戦が再開したら、私はそういう選手を探しに試合を見に行きたいし、絶対にそういう選手はいます。私はそんなギラついた選手を見つけて東スポで紹介し、それが高倉麻子監督の目に触れるようになればうれしいですね。