今夏の東京五輪に臨むU―23日本代表FW旗手怜央(22=川崎)が大舞台出場に向け、アピール不足を懸念している。

 順大から加入したルーキーは、五輪世代の代表活動にコンスタントに招集され、1月のU―23アジア選手権(タイ)にも出場も1次リーグ敗退に「(個人として)今のままでは東京五輪は無理だと思う」と嘆き節。しかも旗手が務めるサイドアタッカーには、MF久保建英(18=マジョルカ)やMF堂安律(21=PSVアイントホーフェン)とA代表選手もひしめく激戦区だけに、とにかくJ1開幕から結果を求めていた。

 ところが新型コロナウイルス感染拡大でJリーグは中断し、延期が続いている。4月3日に再開予定だが、現時点では再延期の可能性が高い。となれば、旗手だけではなく東京五輪出場を狙うイレブンにとっては、わずか18人(オーバーエージ含む)と狭き五輪メンバー入りのアピール期間を削られることを意味する。旗手は現状について「仕方がない」と語る一方で「今シーズンにかける思いは強かったので難しいと思う部分はあるが、対応しないといけない」とし、複雑な胸中を秘めつつも、再開後の猛アピールを誓っていた。

 旗手の父・浩二氏は元野球選手。大阪・PL学園時代には1学年後輩のKKコンビ(桑田真澄氏と清原和博氏)と甲子園を沸かせたが、プロサッカー選手の息子は東京五輪で歓声を浴びることができるか。