U―23日本代表、そして、エースとしての期待がかかるMF久保建英(18=マジョルカ)に難題が降りかかった。金メダルを目指す東京五輪を“ぶっつけ”で迎える可能性が出てきたのだ。

 所属のマジョルカでは年明けからベンチ要員になっていたが、3―3の引き分けだったベティス戦(2月21日)で1ゴール1アシストを挙げてスタメンを奪回。再び存在感を発揮してきた一方で、大舞台に向けては誤算が生じた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、U―23日本代表の国際親善試合2試合(27日南アフリカ戦、30日コートジボワール戦)の中止が決定。それは久保にとって、東京五輪(U―23)世代との連係面やコミュニケーションを向上させる貴重な機会が失われることを意味する。

 東京五輪世代として最後に活動したのは0―2で敗れた昨年11月のコロンビア戦。試合後には「自分は誰とでも、しっかり合わせることが得意だと思っている。誰が出てもその特徴を理解した上で、それに合わせた柔軟なプレーを心がけている」と話したが、特徴を理解する時間すら得られなくなるわけだ。

 U―23代表は5月に福島合宿、6月にフランス遠征を予定しているが、所属クラブに派遣義務はなく、久保を招集するのは困難。壮行試合(7月17日、神戸)とそれに伴う合宿だけを経て、7月23日からスタートする本番に臨むケースもあり得る。五輪代表の森保一監督(51)は「あらゆる状況を想定しながら、選手、チームにとってのベストを模索しながら進んでいきたい」とコメントしたが、活動の限られる選手をどう生かしていくのか。