男女サッカー日韓激突で早くも厳戒 元徴用工、輸出規制、GSOMIA…これまでにない不穏ムード

2019年12月05日 16時30分

森保ジャパンは大丈夫なのか

 森保ジャパンは大丈夫なのか。男女のサッカー日本代表が臨む東アジアE-1選手権(韓国・釜山)は10日に開幕する。日韓関係が悪化の一途をたどる中で敵地に乗り込むが、なでしこジャパンが17日、森保ジャパンが18日に開催国と激突する“伝統の一戦”は早くも一触即発ムード。過去に何度も衝突しただけに、関係各所は不測の事態に備えて厳戒態勢を整えるなど、ピッチ内外で緊張感が高まっている。

 日の丸イレブンがいよいよ韓国に乗り込む。これまでも激しいバトルを繰り広げてきた日韓戦は常に意地の張り合いとなり、反則スレスレの“激突”は不可避。熱戦になるのは間違いない。また、ピッチ外でも熱狂するサポーターの言動が大きなトラブルを巻き起こすなど、ヒートアップしてきた。

 しかし、今大会はこれまで以上に不穏なムードが漂っている。というのも元徴用工問題、輸出規制、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)など日韓両政府の間には問題が山積。それに伴って国民の間にも感情的な対立が深まっており、韓国からの訪日客が激減するなど両国間の関係は“最悪化”しているからだ。

 日本の外務省も「特に日本関連施設やその周辺を訪問する際には、不測の事態等に巻き込まれないよう、周囲の状況に注意を払うようにしてください」と呼びかけている。実際、8月末から9月にかけて行われた野球のU18W杯では、渡韓する際に日本代表の選手やスタッフが「JAPAN」のロゴや日の丸のエンブレムがついていないポロシャツを着用する異例の措置も取られたように、緊迫した状況が続いている。

 その状況はサッカー界も同じ。今季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)で韓国へ遠征したクラブ関係者は「散歩のときに日本のチームだと知られたのか、地元の方にじっと見られて…。何もされなかったけど何か嫌な雰囲気だった」「(スタジアムで)韓国人のサポーターが日本人のいるエリアに乗り込んで来て小競り合いになった」と一触即発のムードが充満していたという。

 2013年に同じく韓国で開催された東アジアカップ(現東アジアE-1選手権)の日韓戦では、韓国サポーターが政治的スローガンが書かれた巨大な横断幕を掲示した一方で日本人サポーターが旭日旗を掲げて対立した。これに菅義偉官房長官が「適切に対応したい」と発言し、政府を巻き込む問題に発展した経緯もあって“再発”への不安が募っている。

 最悪の状況で迎える因縁対決を前に、在釜山日本国総領事館は「日本サッカー協会、大韓サッカー協会とはすでに密に連絡を取っている。警備は主催の韓国側が整えているが、状況に応じて補うべきところは補っていきたい」と警戒態勢。日本協会の関係者も「警備などの協力は領事館にお願いした」と連携を図っていく。また「(競技場で)国旗の掲出は問題ないが、旭日旗は(国際サッカー連盟の)規定の内容に照らし合わせて持ち込まないように対応する」と自粛を求めるという。

 ただ「それよりも(同じ18日予定の)香港と中国の試合の方が心配だけど…」(協会関係者)。香港で続く民主化デモは激化の一途だけに“代理戦争”は血みどろの争いになることは必至。東アジアのナンバーワンを決める今大会は、非常にきなくさいムードが漂っている。

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