2020年東京五輪の金メダル取りへ“クボトーク”が始動だ。五輪世代の森保ジャパンは今回の広島合宿がベストメンバーが揃う最初の機会。そこでピッチ外でも積極的にコミュニケーションを図ることになるが、イレブンはMF久保建英(18=マジョルカ)とのトークを期待している。世界的名門クラブでの日々など久保にしかできない貴重な体験を、チームに還元することになりそうだ。

 久保をはじめとした欧州組がひと足遅れてU―22日本代表チームに合流し、いよいよ全員が集合。森保一監督(51)が「ベストメンバー」と期待を寄せる選手たちが揃い、目標に掲げる東京五輪での金メダル獲得へ向けて本格的に動きだした。

 これからどのようにチームとして成熟度を高めていくのかがカギになるが、それはピッチ外でも同様だ。宿舎でも「食事の時など積極的にコミュニケーションを取っていきたい」と守護神のGK大迫敬介(20=広島)が話すように、イレブンの間で活発に意見交換する場が設けられる。その輪の中心にいるのが久保になりそうだ。

「サッカーのところもそうだし、海外の生活のこともそう。特に建英は直近でゴールも決めているのでそういった話だったり、僕だったら海外のキーパーのレベルがどうなのかという話もしてみたい。いろいろと吸収することがあると思うので、そういった時間を大事にしていきたい」(大迫)

 U―22代表メンバーの多くは、久保の海外移籍後に初めて顔を合わせる機会となる。そうなれば、当然興味が湧くのが海外生活の話題。特に久保は世界屈指の名門レアル・マドリード(スペイン)に移籍し、プレシーズンの7月上旬から約1か月間トップチームに同行した。ジネディーヌ・ジダン監督(47)から熱血指導を受け、昨夏のロシアW杯で日本を沈めたベルギー代表FWエデン・アザール(28)や、昨年の世界最優秀選手のクロアチア代表MFルカ・モドリッチ(34)らと一緒にプレー。さらに、プレシーズンの国際大会でドイツ1部バイエルン・ミュンヘンやスペイン1部アトレチコ・マドリードなど欧州屈指の強豪と対戦した。

 現在もレンタル先のマジョルカで奮闘し、10日のビリャレアル戦でスペイン1部初ゴールを決めたばかり。日本人選手、しかもこの五輪年代ではなかなかできない経験を積んできた。それだけに、森保ジャパンのイレブンから、プレーだけではなくスターとのプライベートな会話を含めたさまざな質問が殺到しそう。FW小川航基(22=水戸)も「建英には刺激をたくさんもらっている。しっかりと聞いて、僕も負けずに食い込んでいけたら」と心待ちにしている。

 久保を“講師”として連日熱い会が展開されそうで、「さんまのお笑い向上委員会」ばりにすべらないことは間違いなし。世界基準のクボトークで、頂点への道が見えてくる。