日本代表MF久保建英(18=マジョルカ)が正念場を迎えている。2022年カタールW杯アジア2次予選タジキスタン戦(15日)に途中出場し、持ち前のドリブル突破でアピールした。ただ肝心のゴールは生まれず、A代表最年少得点記録(19歳119日)の更新は持ち越しとなった。

 同予選では3試合中2試合に途中出場したものの、いずれも終盤の投入でプレー時間はわずか。まだスタメンを奪うほどの存在感を示せていない中、ポジションを争うライバルが次々と好パフォーマンスを発揮した。約1年ぶりに代表復帰したFW浅野拓磨(24=パルチザン)が左サイドで途中出場し、ゴールを奪取。J1広島時代に指導を受けた森保一監督(51)の期待に応えた。ある代表OBは「攻撃にリズムが出た。森保監督が広島時代からやっているパスサッカーを知っているし、浅野の存在が今後のポイントになる」とべた褒めだ。

 またFW鎌田大地(23=Eフランクフルト)は1トップで先発。途中からMF南野拓実(24=ザルツブルク)とポジションを入れ替えてトップ下に入ると、連係もスムーズで、味方の特長を引き出しながらチャンスを演出した。同OBは「本職がトップ下だし、動きはよかった。彼を使うならトップ下が合う」と評価を高めた。

 日本代表の攻撃的MFは中島翔哉(25=ポルト)、南野、堂安律(21=PSVアイントホーフェン)の“三羽ガラス”がレギュラー格。さらに実力者の原口元気(28=ハノーバー)、伊東純也(26=ゲンク)がチャンスをうかがっており、、浅野や鎌田の猛アピールでポジション争いはさらに激しさを増している。

 これまで将来を見据えて代表に招集されているが、指揮官は「クラブでの出場機会」を重視しており、所属のスペイン1部マジョルカでベンチ要員の久保はアピールも難しい。土俵際に追い込まれた“日本の至宝”は森保ジャパンで生き残れるだろうか。