森保ジャパンに神風が吹いた。2022年カタールW杯アジア2次予選の組み合わせ抽選会が17日にマレーシア・クアラルンプールで行われ、日本はキルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルと同じF組に入った。苦手の中東勢や成長著しい新興国との同居は回避。強敵不在の“天国の組”となったことで、森保一監督(50)は大胆な強化策を次々と実行に移せそうな状況となってきた。

 いよいよ始まるカタールへの道。そのスタートとなる2次予選の組み合わせ抽選の結果は森保ジャパンにとって、これ以上ないものとなった。

 C組のイランとイラク、H組の韓国と北朝鮮など、注目カードは他組に分散した。昨年1月のU―23アジア選手権で日本を破ったウズベキスタンはD組、Jリーグで活躍する選手も多いタイと1月のアジアカップで森保ジャパンが大苦戦したベトナムはともにG組。F組は日本が苦手とする中東勢が唯一入らない組となり、明らかにくみしやすい国が揃った。

 対戦国の中で最も国際サッカー連盟(FIFA)ランキングが高い95位のキルギスは昨年11月の親善試合(豊田)で4―0と圧倒したばかり。タジキスタンやミャンマーは実力的にかなり格下で、気になるのは近年の対戦機会がない点くらい。森保監督も「環境が全てイメージできるわけではない。時差や気候の違いがある。力を発揮するのが難しい中での戦いになる」と不気味さを強調したが、過度な警戒は無用だろう。

 日本協会は現在タジキスタンにU―17代表アシスタントコーチとして水島武蔵氏(54)を派遣。ミャンマーでは古賀琢磨氏(50)がアカデミー監督を担当している。現地の情報や環境面など細かなサポートが期待でき、準備さえ怠らなければ恐れる相手ではない。
 もちろん油断は禁物だが、過去の予選と比べれば楽。森保ジャパンに求められるのは敵国の対策ではなく、自分たちのレベルアップ。そこで注目されるのが、森保監督が仕掛けるサプライズだ。

 森保監督は就任以降、若手を次々とレギュラーに抜てきして大幅な世代交代を実行。3月の親善試合ボリビア戦では先発メンバーを4日前のコロンビア戦から11人総入れ替えする大胆な采配を見せた。W杯がかかる公式戦は手堅いメンバーで臨むのが定石だが「森保さんは思い切ったことをやる。それは代表でも変わらない。W杯予選だろうと信念を貫いて指揮していくはず」とJクラブ幹部が指摘するように、肝っ玉采配は指揮官の代名詞。“天国の組”に入ったことで一層、環境は整った。

 アッと驚く新戦力の発掘や登用、さらなる若手の抜てきなど2次予選は様々な森保マジックが炸烈しそう。本大会を見据え、大幅なチーム力アップが期待できそうだ。