芸は身を助ける!? サッカー日本代表が27日、1次リーグで敗退した南米選手権(ブラジル)を終えて成田空港に帰国した。MF久保建英(18=レアル・マドリード)はチームを決勝トーナメントへと導けなかったが、本気の南米勢相手に存在感を発揮。いよいよRマドリードでの挑戦をスタートさせるにあたって、思わぬ“注文”をつけられた。

 帰国した久保はコメントを残さず帰途に就いたが、森保一監督(50)は「最終的にどういうふうに選んでいくかわからないが、W杯予選に入ってくるだけの力を見せてくれた選手はたくさんいた」。個人名こそ挙げなかったものの、9月からスタートする2022年カタールW杯アジア2次予選に久保の招集を示唆した。

 来月からはいよいよRマドリードでの活動もスタート。スター街道まっしぐらの18歳は文句なしの成長曲線を描いているが、さらなる活躍のために元同僚から思いがけない“伸びしろ”を指摘された。なんと「芸を磨け!」というのだ。
 久保は日本代表合宿中の誕生日(6月4日)の夕食時に一発芸を披露して先輩イレブンを爆笑させた…と伝わっているが、親交のあるU―22日本代表GK波多野豪(21=FC東京)は愛のダメ出しだ。「ひどかったと聞いている。まだ恥ずかしさが残っていたみたいだけど、それではダメ。今後は恥ずかしがらずに100%本気でやらないといけない」。現場の様子は日本代表DF室屋成(25=FC東京)から伝え聞いたのだという。

 後輩をイジっているわけではない。一発芸がウケれば、新天地に溶け込むことに時間がかからず、ピッチ上の連係も飛躍的に向上していくことになるからだ。実際、元日本代表MF乾貴士(31=アラベス)は昨年夏にスペイン1部ベティスに移籍した際に同国でもおなじみの「ドラえもんのうた」を熱唱し爆笑を誘い、チームメートとの距離を縮めた。

 しかも波多野は「一発芸とか(久保に)いろいろ教えていきたい」。すでに久保は5月12日のJ1磐田戦でゴールを決めた後、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の“TTポーズ”を披露したが、レパートリーを増やすため芸達者の先輩がアドバイスを送ってくれるというから心強い。

 日本の至宝は今後どんな芸風を身につけて日本代表やRマドリードで、エース兼ムードメーカーという完全無欠な選手へと変貌していくのか? バルセロナの下部組織育ちで陽気なスペイン人気質を持つだけに、その資質は十分にありそうだ。