日本代表はブラジルで開催中の南米選手権1次リーグC組第3戦(24日=日本時間25日、ベロオリゾンテ)でエクアドルに1―1のドローで決勝トーナメント進出を逃した。南米大陸初勝利も挙げられずに、大会を去ることになった森保ジャパンの敗因はどこにあるのか。元日本代表FW武田修宏氏(52=本紙評論家)が、世界から注目のMF久保建英(18=レアル・マドリード)について“査定”した。

 武田氏は“日本の至宝”MF久保について、初戦チリ戦(17日)後に厳しい見解を語っていたが「あれは完敗した試合だったしね。でも(1次リーグ)3試合を通じ、このレベルでもやれることを証明したんじゃない? 激しいチャージに対しても体を入れ替えていたし、守備も良かった。戦力として計算できるでしょう」と高評価した。

 また、数々の好機を演出したことにも「センスがあるね。ポジショニングも良かったし、ゴールへのイメージもできていたから。それに(エクアドル戦終盤の)スルーパスも見事だったよ。中島(翔哉=24、アルドハイル)との相性も悪くなかった。2人が連動できればチャンスも増えるんじゃないかな」と、さらなる活躍を期待した。

 南米をはじめ世界のメディアが才能を評価する中、武田氏は実力とともに高まる注目度が久保を苦しめるという。「世界的にも名前が知られるようになったから、これから大変。当然だけど、相手は研究や分析をするからね。チリ戦後にも言ったけど、マークは厳しくなるし(利き足の)左を封じられる場面が出てくる。そのときに久保がどう対処するのか」と指摘する。

 さらに「名前が売れた選手は(FWリオネル)メッシ(31=バルセロナ)とかネイマール(27=パリ・サンジェルマン)もだけど、相手は前を向かせないようにファウルで止めに来るでしょ。ここまでは比較的、自由にやれているから、効果的なプレーもできるけど、プレッシャーを受けながらでも、同じようにやれるのかな」という。

 まだ、A代表入りを果たしてから1か月もたっていないが、南米選手権で見せたパフォーマンスもあって久保へのアジア各国の警戒度は高まっている。元日本代表ストライカーは「だからこそ、もう一つレベルを上げないとね。Rマドリードでもそうだけど、日本代表としても活躍するには大事なこと。これから世界トップになるために乗り越えるべき壁になるんじゃないかな」と、今後の成長を求めていた。