【フランス女子W杯】復帰のエース小林里歌子に3つの重責

2019年06月13日 16時30分

【フランス・レンヌ12日発】なでしこの“奇跡のエース”に3つの重責が課された。フランス女子W杯D組1次リーグ第2戦のスコットランド戦(14日午後3時=日本時間同午後10時)に向けて練習を再開したなでしこジャパンは、冒頭15分以外を非公開にして約2時間、試合形式で戦術を確認。初戦のアルゼンチン戦でまさかの引き分けに終わり、早くも崖っ縁に立たされるなか、右足首の負傷で別メニュー調整が続いていたFW小林里歌子(21=日テレ)が復帰し、臨戦態勢を整えた。


 高倉麻子監督(51)の秘蔵っ子がようやくピッチに戻ってくる。小林は「100%かはわからないが、いざとなったら出場できる」と自らの状態を説明。スコットランド戦に向けて「試合を通してDFラインと中盤の間が空いてくる時間は来るはず。そこに入っていって、相手守備陣をえぐっていきたい」と攻略のイメージを膨らませた。

 常盤木学園高時代の2014年にはU―17女子W杯で初優勝。翌年に右膝前十字靱帯断裂の重傷を負い、16年の日テレ入団後も手術とリハビリで2年間ピッチに立てなかったが、18年4月に復帰すると今年2月の国際親善大会「シービリーブス杯」(米国)でA代表デビュー。2戦目のブラジル戦で初得点をマークし、今回のW杯メンバー入りを勝ち取った。

 守備ラインの裏に抜けるスピードは一級品。中盤に下がっても試合をつくれる万能型のストライカーで、今大会多数招集されている“高倉チルドレン”の中でもエース格だ。

 小林に求められるのは何よりもゴール。明るいキャラクターの持ち主だけにチームの停滞ムードを打ち破ることも期待される。高倉監督はチームの雰囲気を変える“シンデレラ”の出現を熱望しているが、なでしこリーグ3年連続得点王のFW田中美南(25=日テレ)を選外にしてまで、大舞台で運を持つ小林にこだわったという話もある。

 今大会はここまでアジア勢が不振。韓国、中国、オーストラリアは白星がなく、タイに至っては米国に大会記録となる13点も奪われる醜態をさらした。このままでは次回大会以降、アジアの出場枠減も議論されかねない状況で、日本にはその流れを食い止める役割も求められる。絶望的なケガから奇跡的な復帰を果たした小林は「貪欲にゴールに向かい、どんどんシュートを打っていきたい」と過酷なミッションをクリアする意気込みだ。