【フランス女子W杯】早くも奥の手 アルゼンチン戦引き分けでなでしこ崖っ縁 

2019年06月12日 16時30分

アルゼンチン戦でボールを競り合う三浦(左=ロイター)

【フランス・レンヌ11日(日本時間12日)発】早くも崖っ縁に立たされたなでしこジャパンがスクランブル態勢だ。10日(同11日)のフランスW杯1次リーグD組初戦でアルゼンチンとまさかのスコアレスドローに終わったなでしこジャパンは、第2戦のスコットランド戦(14日午後3時=同午後10時)が行われる当地に移動。予定されていた練習を取りやめて完全オフとなったが、危機感をあらわにする選手たちは“奥の手”の解禁に向けて動きだした。

 アルゼンチン戦は大会初戦の難しさに加え、相手の徹底した守備戦術にはまって無得点。そんな試合だったため、準備していたものが出せなかった。その中の一つがセットプレー。アルゼンチン戦でボランチとしてプレーしたMF三浦成美(21=日テレ)は、今大会用に準備したスペシャルプレーの存在をほのめかした。

「最近は攻撃のところでちょっとアイデアのあるセットプレーを練習で試している。今まではそんなにトリッキーなことはやったことがなかったけど。あとは本番のお楽しみということで。成功すればいいですね」

 別メニュー調整が続くMF阪口夢穂(31=日テレ)をはじめ、ケガ人が多いため、合宿では紅白戦ができないという非常事態。だがその分、非公開練習の中でセットプレーの練習を今まで以上にすることができた。

 アルゼンチン戦ではCKこそ5本あったが、チャンスになりそうな直接FKは0。アルゼンチンが自陣で守りを固めたために、敵陣でファウルをもらうような展開にならなかった。だが、次のスコットランドは攻撃的にくるためにスペースが空くことが予想される。FW横山久美(25=長野)やFW岩渕真奈(26=INAC神戸)らドリブラーの仕掛けで、FK獲得のシーンが増えそうだ。

 三浦はセットプレーの詳細を明かすことはなかったが、過去のW杯で見せてきた“なでしこスペシャル”は効果的なものばかり。優勝した2011年ドイツ大会では米国との決勝の延長後半、CKでニアに飛び込んで同点に追いついた澤穂希のシュートは伝説となり、前回15年カナダ大会ではCKの際にゴール前で選手が縦一直線に並ぶ「なでしこトレイン」を披露して相手を困惑させた。

 今大会は「普通にやっても勝てない」と高倉麻子監督(51)も話しているように“奇襲”は常に頭に置いている。本来ならもう少し隠しておきたいところだが、そうも言っていられない状況。キッカーのMF長谷川唯(22=日テレ)を中心としたものなのか、それともキッカーやターゲットに隠し玉がいるのか。背水の陣を敷くなでしこは手の内をすべてさらす覚悟で次戦に臨む。