本田 東京五輪OA枠出場ピンチ?

2019年05月22日 16時30分

退団を発表した本田は東京五輪に出場できるか(ロイター)

 オーストラリア1部メルボルン・ビクトリーは21日、元日本代表MF本田圭佑(32)が今シーズン限りで退団すると発表した。正式決定を受け、本田は来季の新天地について以前から噂が絶えないJリーグ復帰を完全否定し、現役中は日本でプレーしないことを明言した。しかし“J封印宣言”は、目標とするオーバーエージ(OA)枠による東京五輪出場へ裏目に出るかもしれない。

 本田は22日に行われるアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のJ1広島戦に向けた公式会見に出席。クラブから退団が発表された直後とあって、今後の去就について質問が集中した。

 移籍先は現時点で未定とした上で「東京五輪でプレーしたい。まず休んで、目標の東京五輪へベストな選択をする」と改めて来夏の大舞台を目指すと明言。メンバー入りへ最もアピールできる環境を重視する考えだ。

 一方で「サッカーをするために日本へ戻ることはないだろう」と現役中にJリーグに復帰する可能性を否定し「僕は新しいことに挑戦することが好き。日本は快適すぎる」とその理由を説明した。

 本田らしい“オレ様流”の哲学を貫くというわけだが、この決断は目標の実現へ“凶”となりかねない。元日本代表FW武田修宏氏(52=本紙評論家)はこう指摘する。「東京五輪を目指すというが、そのために最適なのはJリーグに戻ること。環境的に調整しやすいし、日程面でも負担はない。監督へのアピールもしやすい」

 慣れ親しんだ日本でプレーすれば、母国語で話せるぶん周囲との連係も深まりやすく、実力を発揮しやすい。生活面でも家族を含め充実した環境が期待でき、よりサッカーに集中できる。そして東京五輪代表を率いる森保一監督(50)に直接アピールできる機会も海外より段違いに多い。本田が「快適すぎる」とやゆする日本でプレーしたほうが東京五輪には近道なのだ。

 また「森保監督はOAについて『試合に出ている選手、そのときに調子のよい選手』と言っている。欧州クラブに行っても使ってもらえるかはわからない」と武田氏。本田は新天地として欧州復帰を有力な選択肢として視野に入れているが、シビアな競争環境の欧州クラブでは一歩間違えれば監督の好みなどで“干される”可能性もある。

 6月13日に33歳を迎える今の本田では、チャンスすら与えられないことも考えられ、あまりにもリスクが大きいのだ。自身のプライドを優先するあまり状況判断を誤れば、地元開催の夢舞台は遠のきそうだ。