所属するドイツ1部フランクフルトは、18日(日本時間19日)の欧州リーグ(EL)準々決勝第2戦のベンフィカ(ポルトガル)戦で2―0と勝ち、チェルシー(イングランド)との準決勝へと駒を進めた。長谷部はセンターバックでフル出場し、懸命の守備で完封勝利に貢献。「パーフェクトな試合運びだった」と自画自賛する会心の内容で、フランクフルトを欧州の舞台で39年ぶりとなる4強進出へと導いた。

 35歳にしてキャリアハイのシーズンを送る。リーグ戦で23試合、ELは全試合に出場。安定した守備と統率力は、ドイツの主要メディアからこぞって「最高のセンターバック」と評価を受け、アジアサッカー連盟(AFC)からは昨年度のアジア最優秀国際選手にも選出された。

 こうした出色の活躍ぶりで、来夏の東京五輪で、24歳以上の選手を3人まで登録できるオーバーエージ(OA)による招集にも待望論が高まってきそうだ。昨年のロシアW杯後に日本代表引退を表明したが、今でも日本協会内では「あのリーダーシップは何物にも代え難い」と高く評価されている。日本代表と五輪代表を兼務する森保一監督(50)も「足を運んでもらい、いろんなことを伝えてもらいたい」と代表合宿への“参加”を熱望するほどだ。

 A代表こそ引退したが、MF本田圭佑(32=メルボルン・ビクトリー)のように東京五輪代表はまた別の話。短期決戦の国際舞台では、脂の乗り切ったプレーと抜群のキャプテンシーが森保ジャパンの強力な武器として期待できる。

“国民のキャプテン”とも言える長谷部の動向が、目標の金メダル獲得の行方を左右しそうだ。