日本代表メンバー選考が混迷を深めている。日本サッカー協会は17日、都内で行われたJリーグ契約担当者会議の席で森保ジャパンが臨む南米選手権(6月、ブラジル)への選手派遣を各クラブに要請したが、Jリーグの原博実副理事長(60)は厳しい見解を示した。

 この日の会議に出席したJクラブの強化担当者は「(協会から)お願いはあったが、具体的な話は特にない。進んでいない」という。今大会に向けては、クラブに選手派遣の義務がないため、森保一監督(50)も「難しい」と頭を抱えていたが、いまだに打開策は見いだせない。それどころか、さらに困難な状況が浮き彫りになった。

 これについて原副理事長に聞くと「国際Aマッチデーではないので(派遣は)難しい」と話した上で「(同じアジアから参戦の)カタールみたいに(シーズンが)秋春制ならともかく、Jリーグはシーズン真っ最中。しかもACL(アジアチャンピオンズリーグ)だってある。Jからすれば、そちらが公式戦だ」と強調した。

 南米選手権は、J1リーグ戦に加えてACL決勝トーナメント1回戦と日程が重なる。さらに人数や年齢で制限する枠組みも設定しておらず「それは出場すると決まった時からそういう前提になっている。クラブと個別の交渉になる」(原副理事長)。クラブが拒否すれば、もはや打つ手なしというわけだ。

 さらに原副理事長は海外組についても「(試合に)出ている選手は休ませないといけないし、出ていない選手もチームを移ったりするから余計難しい」。自身が2014年まで技術委員長を務めた経験を踏まえ「向こう(欧州)のクラブに話をしても『なんで南米選手権に日本人が出るんだ』という反応がほとんどだった」と話し、すでに絶望的な状況だ。

 まさに八方ふさがりの森保ジャパン。南米の強豪とガチンコ勝負できる貴重な強化の場と期待されていたが、それ以前にチームを編成できるのだろうか。