サッカーのフランス女子W杯(6月7日開幕)に臨むなでしこジャパンの高倉麻子監督(50)がメンバー選考に頭を悩ませている。

 W杯前、最後の活動となった欧州遠征を終えたなでしこジャパンが11日に帰国した。開催国フランスには1―3で敗れ、優勝候補ドイツとは2―2のドロー。2大会ぶりの優勝に向けてフィジカル勝負への対応など課題が残った上に、今回も若手のテスト色が強く、メンバーの絞り込みは進んでいない。

 高倉監督は「(メンバーを)固めたいけど、状態のいい選手も多い。新しい力というところとも差がないので、最後の最後まで固まってこないと思う。2か月後に一番コンディションのいい選手が、基本的に(W杯の)スタートでいくか、もしくは途中のカードになっていく」と現状を説明した。

 5月上旬に予定されているW杯メンバー23人発表のギリギリまで当落線上の新旧戦力を見極めていく構え。コンディション次第では、今遠征に参加してない2011年ドイツW杯優勝メンバーでエース格のMF阪口夢穂(31=日テレ)をはじめ、FW岩渕真奈(26=INAC神戸)、3年連続なでしこリーグ得点王のFW田中美南(24=日テレ)の落選があり得る一方、昨年のU―20W杯優勝メンバーら若手成長株をサプライズ選出する可能性もありそうだ。

 もちろん状態を見極めるだけではなく、若手とベテランのバランスも重視する。高倉監督は「勢いのある若手とチームに落ち着きをもたらすベテランの役割。選手をずっと見てきた中で、必要な要素を持っている選手を選んでいきたい」。

 2大会ぶりのW杯制覇に挑戦するメンバーは誰か。指揮官の“眼力”が結果を大きく左右しそうだ。