ようやく2勝目をマークだ。J1神戸は29日、ホームで札幌に4―1で大勝。4―0で快勝した14日の鳥栖戦以来、4試合ぶりの勝利となった。

 最下位に沈むチームの起爆剤となるか。神戸の下部組織から筑波大を経て加入した入団3年目のDF山川哲史(24)が、前半17分にこぼれ球を右足で振り抜き、先制弾をマーク。母校・筑波大サッカー部の小井土正亮監督が「学生時代はいつも三笘(薫、サンジロワーズ)と居残り練習をしていた」と明かすなど、地道な努力を重ねてきた若武者が待望のJ1初ゴールで流れを引き寄せた。

 後半14分に一度は同点に追いつかれるも、同19分から途中出場したMF汰木康也(26)のFKをFW武藤嘉紀(29)が頭で合わせて勝ち越しに成功。同24分にDF菊池流帆(25)が追加点を挙げると、同29分にはオウンゴールでリードを広げた。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(64)は「ものすごく重要な勝ち点3だったと思う。今日はチャンスがあったときに決め切れた。先制したのもそうだが、同点にされた後にすぐに点を取ることができた」と一定の手応えを口にした。

 遠かった白星を手にしたとはいえ、まだJ2降格圏を脱出できていない。「ハードワークを続けること、いい練習をしていくこと、ケガ人を回復させること、こういったところを着実に続けていくところが重要になる」と気を引き締めた。