19日に今季限りでの引退を表明したJ1C大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)は〝弟分〟である元日本代表MF香川真司(32=PAOK)のことを気にかける後輩思いの一面も持ち合わせていた。

 2014年ブラジルW杯は、ともに出場。1―2で敗れた1次リーグ初戦のコートジボワール戦翌日、低調なパフォーマンスに終わった香川に対して風呂場で「全然ダメやったけど、まあ落ち込むなよ」とダメ出しで励ましたのは有名な話だ。

 それは誰よりも香川の力を認めているからこそ。「代表では輝けない」と言われ続けた中でも、香川中心のチームづくりを提言してきた。16年9月には「チームメートに気を使ってパスなんか出さなくていい。『俺に出せ』とか指示を出してチームを引っ張っていかないと。真司がうまいことはみんな分かっているんだし、そうすればチームがうまくいく」と主力の自覚を促した。

 18年ロシアW杯前には「真司は前で好きにやったらいい」と言い切っていたのは、多少〝私情〟が入ってたのかもしれないが、強い絆の証しだ。それは15年7月にテレビ朝日系で放送された「やべっちFC」で共演した際の息の合った掛け合いからも見て取れる。独身の香川から結婚について「30過ぎても別にいいかな。別に40にいってもいいし、俺は」との言葉を引き出した。

 今後は指導者として香川と接する機会があるかもしれないが、大久保は違う道を選ぶ可能性もありそう。以前に「サッカーはいつ辞めてもいいと思っている。もっと稼げる方法ならいくらでもあるから」と明かしていた。どうやら投資家も選択肢の一つらしいが、異例の転身は実現するのだろうか。