J2新潟のDF早川史哉(27)が5日、アウェーの大宮戦で6年目にしてプロ初ゴールを決めた。0―0の前半15分に左CKからファーで相手と競りながらゴールへ押し込こんで喜びを爆発。試合も3―2で競り勝ち、首位をがっちりキープした。

 早川は筑波大卒業後の2016年に地元のクラブである新潟入りし、同年4月に急性白血病と診断されて、同年11月の骨髄移植手術を行うなど長い療養生活を送った。翌17年から選手契約を一時凍結したが、18年11月に解除。19年10月の鹿児島戦で3年7か月ぶりの復帰を果たした。その後は順調に出場機会を増やしていた。

 ポジション的に常に得点を求められるわけではないが「プロ初ゴールという部分ではもちろんうれしい。一昨年から試合に出始めて、ずっと口にしていたので、それを形として残せたのは非常にポジティブだと思う。ただ2失点とも自分の準備不足でやられたところは自分自身納得していない。そこを突き詰めてやっていきたい」と反省も忘れなかった。

 自身が復帰ロードを歩んでいた19年2月には、競泳の池江璃花子(20=ルネサンス)が同じ病となっていたことを発表。面識はなかったが、当時クラブを通じて「選手として活躍されていて、周りの多くの方はどうしてもきれいなドラマのように、復帰して再び活躍する姿を見たいと期待していると思いますが、まずは一人の人間として元気になってくれることを僕は願っています」などとコメントしていた。

 池江も病を乗り越えて厳しいと思われた東京五輪の出場権を獲得。日本中に勇気と感動を届けたが、早川もそれを受け取った一人だったのかもしれない。