Jリーグ初代王者ヴェルディ川崎(現J2東京V)でホぺイロ(用具係)としてチームをサポートしていたルイス・ベゼーハ・ダ・シルバさんが12日(日本時間13日)までにブラジル・サンパウロ市内の病院で亡くなったことがわかった。関係者によると、肝臓がんだったという。

 1993年のプロサッカー、Jリーグ開幕に向けて、読売クラブ時代の〝キング・カズ〟ことFW三浦知良(現横浜FC)が用具の管理やスパイクの手入れ、補修などを専門に行うポルトガル語で「ホぺイロ」という専門職の重要性を訴え、ブラジルから呼び寄せたのが、ベゼーハさんだった。日本初となるプロの用具係として黄金期のV川崎を陰で支えた。

 V川崎時代にベゼーハさんの支援を受けていた元日本代表FW武田修宏氏(53)は「(死去は)関係者から聞きました。(2000年にブラジルの)ポンチプレッタに留学したときもお世話になったし、本当に残念です。今ではどのJクラブにもホぺイロはいますが、当時はヴェルディだけで、彼が先駆者でした。ベゼーハさんのおかげで選手は練習や試合に集中するだけでした。感謝していますし、ご冥福をお祈りします」とコメントした。