
今季限りで引退表明しているJ1川崎のMF中村憲剛(40)が、現役ラストマッチを天皇杯優勝で飾った。
1―0で優勝を果たして有終の美を飾ったが、残念ながら出場機会はなし。それでも「ホッとした。みんなが駆け寄ってきてくれて、最初は泣く気なかったけど、みんなが泣くからもらっちゃいました」とピッチで男泣きした。
試合後は場内を一周した後にピッチの上で大の字になって寝転んだ。
「帰りたくない、いやだという子供みたいな感じ。選手としてはラストなので、芝生が。もう帰るよと言われた子供時代を思い出した。ユニホームを脱ぐのもいやだった。脱いだら終わりですもん。脱いだらもう二度と着ることないので。本気で今日で終わりなので」とピッチを去るのを名残惜しそうに振り返った。
試合後にロッカーへ戻ると「みんなの前で最後に話をさせてもらって『このあとフロンターレをよろしくお願いします』と。自分の思いの丈をみんなにぶつけて、結構時間がかかった」とスタッフやイレブンに向けて熱い思いを語りつくした。
出場機会がないままラストマッチを終える形となったが「最後の10分にガンバが押してきて、こうなると延長で出番があるかもと。出られなかったのは、それはそれだし。これはこれで良い筋書きだったと思う。鬼さん(鬼木監督)も考えに考えぬいてくれたし、それは監督の判断だから。おれでもそうするなと思った」とわだかまりは一切なし。
最後は〝第2の人生〟に向けて報道陣に向けて「何か仕事あったら言ってくださいね。なんでもしゃべるので。今後の人生もよろしくお願いします」と〝就活〟して締めくくり、最後まで〝憲剛節〟全開だった。
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