J2京都は9日、来季の新監督にJ1湘南の前監督の曺貴裁氏(51)が就任すると発表した。今季監督を務めた実好礼忠氏(48)は任期満了により退任することがすでに7日に発表になっている。

 曺氏は2012年から8季にわたって湘南の指揮を執り、90分間ボールを追い続け、相手の急所を突くパスなどで打開する「湘南スタイル」を確立。2度のJ2優勝(14、17年)と18年ルヴァンカップ優勝という結果を残した。だが19年8月に発覚した選手へのパワハラ行為により、同10月に辞任。公認S級ライセンスの1年間資格停止処分を受けた。

 今年3月に流通経済大サッカー部のコーチとして指導を再開させ、10月4日に処分が解除されていた。

 今回の就任にあたり、曺氏は京都の公式ホームページ上で「まず初めに、昨年、自分が起こしてしまったハラスメント行為に関して、深くお詫び申し上げます」と改めて謝罪。「ハラスメント行為により1年間のS級ライセンス停止処分を受けたにもかかわらず、このたび、ありがたいオファーを京都サンガFCからいただきました。ここ京都は自分が生まれ育った町です。そのクラブから一緒に高みを目指していこうと言葉を掛けていただいたことはこの上ない喜びです」と感謝の意を示した。

 今後に向けては「スタッフ・選手全員と一緒にサッカーそのものの楽しさや素晴らしさをとことん追求し、繰り広げるフットボールに歓喜する瞬間を見せ続ける、これこそが、全身全霊をかけて、成し遂げなければならない最大のミッションと感じています」と意気込みを示した。

 京都は今季序盤はJ1昇格争いに加わっていたが、終盤に失速。ここまで39試合を終えて16勝10分け13敗の勝ち点58で6位にとどまり、昇格の可能性はなくなっている。